2018年度 活動レポート 第314号:長崎大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第314号

長崎で学ぼう!~出島のくすりから先端創薬まで~

長崎大学からの報告

2018年1月14日から20日にかけて、タイ王国のチュラロンコン大学の薬学部生・大学院生10名と引率教員1名が長崎大学薬学部を中心とした科学技術体験コースに参加しました。さくらサイエンスプログラム(科学技術体験コース)による招へいの支援も今年で3年目の最終年度になりました。さくらサイエンスプログラムへの採択が契機となって、長崎大学からも学生を短期でチュラロンコン大学へ派遣しており、その際にお世話になった日本人学生が到着日からの色々な計画や準備を行い、プログラム外での市内観光や見学のガイドを務めてくれました。原爆資料館や平和公園の見学を通じて平和の尊さを実感したようでした。

登校初日の15日は、昼食を挟んで自己紹介や長崎大学薬学部教員による長崎大学や長崎の歴史の紹介が行われました。また、薬学部に設置された薬草園や下村脩名誉博士顕彰記念館を見学し、ノーベル化学賞の受賞に繋がった下村先生の研究業績やゆかりの展示品に興味津々と言った様子でした。夕方からは大学生協で歓迎パーティーが行われ、長崎大学の教員やTAを務める学生と親睦を深めました。

下村 脩名誉博士顕彰記念館の見学

16日からは、2日間にわたって、リエゾンセンター教員による講義を受講したり、薬学部の有機化学系、生物系および物理分析系の研究室を訪問し、体験実験や見学を行いました。それぞれの研究室では若い教員や大学院生が専門領域の説明や実技指導を行いましたが、タイからの学生は積極的に興味をもって参加し、かつ楽しんでいました。

物理分析系研究室の見学

日本滞在の後半は、まず、18日に佐賀市に移動し、ヤクルト本社佐賀工場を見学しました。世界的にも知られているヤクルトの商品説明を受けたり、試飲を楽しんだりしました。また、生産工程の見学は学生にとって大変興味深いものとなったようです。

ヤクルト本社佐賀工場の見学

午後は久留米で日本赤十字社九州ブロック赤十字血液センターを訪問し、血液製剤の製造や血液検査の現場を見学しました。タイの赤十字では毒ヘビの抗血清を作製していることもあり、薬学生として身近で共通性のある話題に熱心に聞き入っていました。

赤十字血液センター見学

その当日は鳥栖市内に宿泊し、最終日の19日は、鳥栖市にある中冨記念くすり博物館を見学しました。チュラロンコン大学内にも立派な生薬の博物館がありますが、日本のくすりにまつわる歴史やタイ王国とは異なる生薬標本、資料に学生も大変興味を覚えているようでした。

午後には福岡市内に移動し、市内のホテル会議室において、研修報告会が行われました。報告会では、学生が滞在中に作成したスライドを用いて、それぞれの学生が熱心に本プログラムの感想や、日本滞在で得た印象、役立ったことなど積極的かつ真摯に発表していました。その後、各人に修了証と記念品のピンバッジが手渡され、再度の来日を希望しつつ、全日程が無事かつ有意義に終了しました。

最終日の報告会の様子