2018年度 活動レポート 第300号:横浜市立大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第300号

少子高齢化・人口減少時代の都市計画技術を学ぶ

横浜市立大学グローバル都市協力研究センターからの報告

横浜市立大学グローバル都市協力研究センターまちづくりユニットでは、さくらサイエンスプログラムの支援をうけて、韓国・仁川国立大学都市科学学部 建築・都市デザイン学科より学生10名、教員1名を招へいし、「少子高齢化・人口減少時代の都市計画技術を学ぶ」をテーマとするスタディ・ツアーを2019年1月25日から1月31日にかけて実施しました。

さくらサイエンスプログラムでの招へい学生10名のほか、同大学からさらに学生6名、教員1名が参加し、本学からも計14名の学生が代わる代わる参加しています。本学では、2018年8月に仁川国立大学において、まちづくりに関する国際学生ワークショップを実施しており、今回は、同ワークショップに参加していた韓国の学生を招へいし、同じく同ワークショップに参加していた本学学生が日本滞在をサポートする体制となりました。

韓国も我が国同様、超高齢化・人口減少社会へ突入しつつあり、既存ストックの再生・活用やコミュニティ活性化、コンパクトな都市づくり、地域固有の魅力形成等を通した持続的な地域社会の形成や都市空間の質の向上が都市環境整備を行う上での課題になってきています。本活動は、将来、都市計画実務に携わることが予想される学生たちに対し、こうした課題に一足早く取り組んでいる我が国の事例を紹介し、日本の都市の計画技術や環境技術、地域再生の取組みを学ぶ機会を提供することを目的として、講義と実地見学を組み合わせて行いました。

到着日は、空港から都内に向かい、日本の都市開発と都市景観形成の視察を行いました。

第2日目は、横浜の都市デザインについて講義を受けたのち、講義の内容を確認しながら関内地区を中心にまちあるきを行いました。

横浜の都市デザインの現地視察

第3日目は横浜市内の2つのニュータウンを訪れました。金沢シーサイドタウンでは、少子高齢化と人口減少や「オールド」ニュータウンといった日本の社会問題、エリアマネジメントについての講義に対し、自らが近い将来に直面する課題として熱心に耳を傾けました。港北ニュータウンでは、ニュータウン建設として、単なる住宅供給ではなく、豊かな自然を生かしながら総合的な住宅・都市環境形成が行われていることに驚いた様子でした。

金沢シーサイドタウンのエリアマネジメントに関する講義

第4日目は、横浜黄金町地区のアートを通した地区再生の事例とみなとみらい21地区の大規模都市再開発の事例を学びました。仁川は、開港都市という横浜と類似する歴史をもち、また仁川国立大学はみなとみらいのような埋立地に形成された新都市に立地しています。旧港湾施設の活用や新開発地区の景観形成、水辺の活かし方等について、仁川の状況と比較しながら学ぶことができました。

みなとみらい21地区の視察

第5日目は、代官山を訪れ、市街地再開発と良好な住環境形成および地域のまちづくり活動について学びました。地域住民の方々による地域固有の魅力を維持し、高めていくための取組みと成果の説明には深い関心が示され、予定時間を超えて質疑応答が行われました。

代官山の都市環境形成とまちづくりに関する講義

第6日目は鎌倉を訪れ、日本の伝統文化や造園にふれるとともに、歴史的環境保全のための都市計画上の規制を学びました。その後、活動成果をまとめるワークショップを行い、5日間のプログラムを通して学んだこと、特に、韓国と日本の都市計画・まちづくりの共通点と相違点、およびその共通・類似の背景について、グループごとに検討し発表しました。

活動を終えての集合写真

本プログラムでは、中心市街地、再開発地区、住宅地、歴史的地区といった多様な都市部をめぐり、講義と視察を行いましたが、学生の感想からは、計画技術、まちづくりへの民間の関与、公共性の考え方等、見聞きするものそれぞれに学びがあった様子が伺えました。特に、プログラムを通して、座学だけではなく、その実践の現場を見学できるようなアレンジをしたことが日本のまちづくりのよりよい理解につながったようでした。昨夏の韓国でのワークショップに次ぐ再会となった韓国の学生と本学学生の間では友情も深まり、きわめて有意義な国際的な学術交流の機会になったと実感しています。ご支援いただいた「さくらサイエンスプログラム」に心より感謝申し上げます。