2018年度 活動レポート 第219号:東京農工大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第219号

インドネシアの大学院生と教員との医用画像解析に関する共同研究

東京農工大学大学院工学研究院
清水昭伸研究室からの報告

2018年11月11日から12月1日の21日間、クアラルンプール大学英国マレーシア校の大学院生Rasyiqah ‘Annani Binti Mohd Rosidiさん、ならびにAssistant ProfessorのGan Hong Sengさんの2名を招へいしました。

研究テーマは、「膝変形性関節症進行パターンの計算機支援診断のための深層学習と半自動セグメンテーションの融合」です。変形性関節症は、膝関節に関する重要な疾患であり、我が国でも患者数の増加が見込まれています。MR像上の膝軟骨の画像認識は、診断支援のために重要な処理です。本学滞在中には、招へい対象者がこれまで行った研究に、深層学習を応用した処理を追加することで精度改善を目指しました。また、滞在中には国内の有力な医用画像解析の研究機関として、奈良先端科学技術大学院大学の佐藤嘉伸研究室を訪問して交流を行い、幅広い知識を身につけていただきました。

以下では、東京農工大学における活動について紹介します。

来日後、まず、母国でこれまで行われた研究について発表をしていただきました。それを踏まえて、共同研究の内容について研究室全員でディスカッションを行い、滞在中の計画を立てました。具体的には、全体を以下の三つのステップに分け、それぞれについて計画を具体化しました。

1. 膝軟骨の学習ラベルの作成
2. U-Netの学習
3. U-Netによる膝軟骨の認識結果の評価
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来日直後の研究発表とディスカッション
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研究風景

また、それぞれのステップに研究室の学生を割り振り、できる限り多くの学生が参加できるようにしました。研究室の学生にとっては、研究内容を英語で説明してディスカッションする非常に良い機会になりました。

帰国日の前日には、研究室全員の前で、滞在中に得られた研究成果について20分程度のプレゼンと質疑応答をしていただきました。また、修了証書の授与式も行いました。送別会では、ハラールに配慮しながら、研究室のメンバーと一緒に料理を作り、食事を楽しんでいただきました。

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研究成果発表会とディスカッション

全体的には、招へい対象者の研究は計画通りに進み、体調不良もなく充実した時間を過ごせました。

最後に、本プランの実施にご協力いただきました本学の事務職員の皆様、本研究室の皆様、ならびにご支援をいただきました「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。

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