2018年度 活動レポート 第184号:宮崎大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第184号

ミャンマー国における安全・安心で持続的魚介類湯職生産を可能にする疾病診断技術の確立

宮崎大学からの報告

平成30年10月4日から13日までの10日間、ミャンマー連邦共和国の農業・牧畜・灌漑省水産局研究員の6名と獣医科大学の学生5名を、さくらサイエンスプログラムで招へいしました。

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池ノ上学長への表敬訪問

ミャンマーでは、今までは淡水産の魚介類を主に養殖していましたが、外貨を獲得しやすい海産の魚介類の養殖に移行しています。しかし、安定的な生産には疾病が大きな障害となっています。安全・安心な養殖魚介類の供給のためには、疾病の早期診断法の確立が必須です。そこで、実際に日々魚病診断を実施している水産局の研究員と魚病学を研究している獣医科大学の学生を招へいして、海産魚介類の養殖先進国である日本の技術を教授するとともに、ミャンマーが直面している問題を提起し、課題解決を図りました。

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酒井農学部長への表敬訪問

10月5日~8日に、伊丹教授によるエビ類の疾病と診断方法並びに対策に関する講義とミャンマーにおける魚病問題を全員で討論しました。これによって、ミャンマー国内での魚病発生状況やその関連情報が共有され、これからの魚病問題への対策策定の目途が付きました。英語でのアクティブラーニングは、ミャンマーの研修生にとっては初めての体験のため、当初は戸惑っていましたが、慣れるに伴って活発に意見交換ができました。

10月9日のさくらパダウシンポジウムでは、同時期来学していた工学系のさくらサイエンス研修員と相互に研究発表を行い、農工融合型の発表会となり、活発な意見交換がなされました。

10月10日以降、魚類の免疫系の講義、魚病細菌とワクチンの講義さらには免疫賦活剤等による魚病制圧技術に関する講義を受講して、帰国後これらの技術を活用して魚病対策並びに研究に役立たせたいとの希望を述べていました。

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さくらパダウシンポジウムで発表する研修生
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さくらパダウシンポジウム終了後、パイテン宮崎大学客員教授と記念撮影

10月11日には、本学がJICAの草の根事業として実施しているミャンマーにおけるヒ素汚染対策事業に関する特別講義を国際連携センターの矢野助教から受けました。研修生はミャンマーにおける地下水汚染の状況を再認識して、この知識を淡水魚養殖に応用して、より安全で安心な魚類養殖を目指すことの必要性を再認識しました。

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矢野助教によるミャンマーにおけるヒ素汚染の状況と改善方法に関する講義

10月12日に宮崎を出発し、13日にミャンマーに向けて帰国しました。