2018年度 活動レポート 第152号:東京理科大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第152号

中国科学院の学生と光触媒技術について共同で研究活動を実施

東京理科大学からの報告

2018年10月8日~10月28日までの21日間、さくらサイエンスプログラムの支援により、中国の中国科学院から教員1名、研究者1名、大学院学生2名が野田キャンパスの光触媒国際研究センターに滞在して共同研究を行いました。

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東京理科大学・近代科学資料館にて

本招へいプログラムは、共同研究活動コースということで、日本発の誇れる科学技術の1つである光触媒について共同で研究活動を行うことにより、光触媒の基礎的な知識から応用範囲を理解してもらうとともに、日本の最先端の科学技術や文化に触れることで、その素晴らしさを実感してもらうことを目的としております。

来校初日(9日)には、光触媒国際研究センターの説明・見学と実験の方針について議論を行いました。翌日には、実験に関する注意事項の確認後、具体的な実験装置の使い方についてレクチャーしました。12日の夕方は、藤嶋昭先生をはじめとする光触媒国際研究センターの教職員や学生と交流を深めるべく歓迎会を行いました。

写真2
装置のレクチャーを受けて、操作方法の確認

週末の13日は、お台場の日本科学未来館、東京スカイツリー見学に出かけ、日本の科学技術や文化について学ぶ機会を得ることができました。

学生それぞれが光触媒を用いた研究をスタートさせ、センターの学生と協力し、積極的に研究活動に取り組みました。研究内容は、以下の通りです。

  • ① 酸化チタン光触媒とグラフェンの複合膜の作製と複合割合が光誘起親水性に及ぼす影響の評価
  • ② 酸化チタン光触媒とグラフェンの複合粉末試料の作製と酸化分解活性の評価
  • ③ バナジン酸ビスマスとグラフェンの複合粉末試料の作製と酸化分解活性の評価

光触媒活性の評価は、本学の光触媒国際研究センターが所有する自動接触角計、ガスクロマトグラフィー、紫外可視吸収スペクトル測定装置を用いて行いました。学生は中国科学院の研究室でダイヤモンド電極を用いた電気化学分野の研究をしているため、本学では普段使用しない実験装置を操作することとなりましたが、新しい経験に緊張しつつも楽しんでいる様子でした。なかでもテーマ③は、予想を上回る結果となり、今後も研究を続けて共同で論文投稿をする予定です。

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紫外可視吸収スペクトル測定装置を使って光触媒分解活性の評価
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自動接触角計を用いて光触媒膜の光誘起親水性の測定

プログラムの後半には、さくらサイエンスプログラムで来日した他のグループ(東北師範大学)と交流を持つ機会が得られ、研究だけではなく学生同士の交流を深めることができました。

今回の交流プログラムの実施を通して、新しい研究に対して積極的に取り組む姿勢、短期間での吸収力など中国の優秀な学生との交流を持てたことは、私自身だけはなく学生にとって大きな刺激となりました。このような交流のきっかけを作って頂いた、さくらサイエンスプログラムに深く感謝いたします。

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光触媒国際研究センターの教職員、学生との交流会