2018年度 活動レポート 第100号:長岡工業高等専門学校

2018年度活動レポート(一般公募コース)第100号

高等技術トレーニングセンター・マラッカ校との実践的ものづくり交流

長岡工業高等専門学校

長岡工業高等専門学校では、平成30年10月8日から10月17日の10日間、さくらサイエンスプログラムの交流事業を実施しました。今回のプログラムでは、マレーシアの高等技術トレーニングセンター・マラッカ校(ADTEC Melaka校)から学生10名と教員1名を招きました。本プログラムの実施内容について説明いたします。

1.実践的ものづくり交流

本交流プログラムでは、長岡高専生とADTEC Melaka校の学生との混成チームを5班作り、課題をクリアしたポイントで順位を決定するライントレース競技会を実施しました。ライントレース競技会にはSTEM教育を学ぶために設計されたLEGO MINDSTORMS EV3を使用しました。本プログラムでは、エンジニアを目指す同世代の若者に対して交流の場を提供し、マレーシアと日本の学生の科学技術に対する理解を深めさせることを主な目的としています。

長岡高専生はマレーシア語を話すことができませんし、マレーシアの学生は日本語を話すことができません。各チームは英語でコミュニケーションを取りながら、和気あいあいとした雰囲気の中で課題に取り組んでいました。

写真1
MakecodeによるLEGO EV3のプログラミング
写真2
LEGO EV3によるライントレース競技会
写真3
レーザー応用工学研究室におけるガラス内部マーキングの体験

2.企業視察

招へいプログラムの一つとして、工場見学を実施しました。日本の技術というとハイテクがイメージされがちですが、今の時代に、すべての工程を手作りで行っている「ものづくり」をマレーシアの学生たちに見せることも意義あることと考え、三条市にある株式会社タダフサ様、株式会社諏訪田製作所様を見学させていただきました。

タダフサ様では、ニュージーランド出身の技術者の方から、包丁作りの工程の説明を英語で受けました。また諏訪田製作所様では、業務用の爪切りの製作過程の説明を受けました。この工場見学を通して、日本のものづくりに対するあらたな印象を彼らは持ったことだと思います。

写真4
ニュージーランド出身の技術者による包丁作製工程の説明(タダフサ様)

3.日本科学未来館、スカイツリーなどの見学

プログラム期間中の週末は心と身体のリフレッシュをかねて、新潟市水族館マリンピア日本海で最新の水処理技術について学ぶとともにイルカショウを楽しみ、県立歴史博物館では地域の歴史を学び、そして越後長岡丘陵公園で秋の草花を見て楽しみました。

また長岡高専でのプログラム終了後は、帰国の際の移動にあわせて、日本科学未来館やスカイツリーの見学を行いました。日本科学未来館では、1000万画素を超える高解像度で、宇宙に輝く地球の姿をリアルに映し出す日本科学未来館のシンボル展示物、Geo-Cosmosに見入っていました。また二足歩行ロボットのアシモが横歩き、片足飛び、後ろ歩きする姿に驚くとともに感心していました。スカイツリーでは地上から天望デッキ(第一展望台・高さ350m)を約50秒で結ぶ大容量・超高速のエレベータに乗り、その速さとあまりのスムーズさに感動していました。

このプログラムに参加したADTEC Melaka校の学生ならびに引率された先生は、日本の学生と交流でき、日本での生活を体験し、日本の今を理解することができたことに対して大変有意義であったとの感想を述べていました。最後に、このような貴重な機会を与えてくださいました、さくらサイエンスプログラムにお礼を申し上げます。

写真5
ライントレース競技会後の集合写真