2018年度 活動レポート 第47号:千葉大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第047号

電子科技大学学生が千葉大学で高周波・MEMSに関する研修を実施

千葉大学大学院工学研究院
教授 橋本研也さんからの報告

2018年8月26日(日)~9月1日(土)の7日間、中国成都にある電子科技大学(UESTC)から学部生9名と大学院生1名 (計10名)が来日し、千葉大学と東北大学において高周波並びにMEMS(微小電子機械システム)技術に関する研修を実施しました。

UESTCは電気電子工学を核とした非常に高名な大学です。さくらサイエンスプログラム(SSP)は初年度(2014年)から継続して実施しています。UESTC側に優秀な学生の選抜をお願いしており、ご協力頂いている先生方からプログラムの内容・学生の質共に高い評価を受けております。このため、今年度もこれまでとほぼ同様の内容で実施しました。

8月26日午後に成田に到着し、筆者研究室のドクター学生(SSP OB)が出迎えました。

8月27日朝は筆者による簡単なガイダンスの後、千葉大学 劉浩教授の生物模倣による飛翔技術に関する講義を聴講しました。教授は当該分野の世界的権威で、その取組はマスメディアにも頻繁に取り上げられています。

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講演終了後の様子(中央が劉浩教授)

講義終了後、直ちに仙台へ移動し、東北大学 末松憲治教授の研究室を訪問しました。そこでは世界最先端の移動体通信技術を開発しています。末松憲治教授に特別講義をお願いし、引き続き研究室を紹介して頂きました。

8月28日は、まず東北大学資料館を訪問しました。文豪 魯迅は同大学の前進である仙台医学専門学校に留学しており、資料館にはその時の資料が展示されています。また、今回は仙台医学専門学校の講義室(通称 魯迅の階段教室)の見学もアレンジして頂きました。

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魯迅の階段教室での記念撮影(中央が田中秀治教授)

次に、田中秀治教授の研究室に移動しました。同教授はMEMSに関する世界的権威で、研究室には最先端の研究環境が整備されています。まず、田中教授によるMEMSに関するセミナーを聴講した後、彼の広大な研究室を見学しました。また、お昼には田中教授が懇親会を開催して下さり、研究室の教員・学生の方々との親交を深めました。

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田中研究室での研修の様子(一番奥が田中秀治教授)

午後には戸津健太郎准教授の御厚意により東北大学試作コインランドリーを見学しました。これはMEMS開発用の共用設備を企業等に開放し、実用化を支援するものです。参加者は世界最先端のMEMS研究・開発環境を垣間見ることができ、刺激を受けたようでした。

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試作コインランドリーでの研修の様子(中央で説明されているのが戸津健太郎准教授)

8月29日は、午前中に仙台から東京へ戻り、午後に未来科学館を訪問し、日本の最先端科学技術を見学しました。

8月30日は、筆者による高周波電子工学に関するセミナーと研究室見学を実施した後、劉浩研究室の羽ばたき飛行や空洞実験等を見学しました。

8月31日は、千葉大学のJosaphat Tetuko Sri Sumantyo教授の研究室を訪問しました。Josaphat教授は電磁波によるリモートセンシングの権威です。彼が急用で不在のため、ドクター学生に研究室の紹介と見学をお願いしました。そして、最終日9月1日午後の飛行機で無事成都へ帰国しました。

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修了式を終えて(左から5番めが筆者)

Josaphat教授、劉教授は共に日本に留学して学位を取り、顕著な業績を遂げ、千葉大学で研究室を主宰されています。東北大学の諸先生方は勿論、彼らの様な卓越した先達との交流はSSP参加者に大きな刺激となったことは間違いありません。将来大学院学生やポスドクとして再来日に対する憧れを誘発すると言う本プログラムの目的は、今年度も十分に達成できたと自負しています。