2017年度 活動レポート 第373号:ひろしま国際センター

2017年度活動レポート(一般公募コース)第373号

中国の優秀な高校生が広島で日本の農業科学技術を学ぶ

ひろしま国際センターからの報告

ひろしま国際センターは2017年12月6日~13日の8日間、さくらサイエンスプログラムにより、四川省重慶市の教科文国際交流センターの推薦を得て、科学技術分野(特に農業科学と農業技術)に関心を持つ重慶市内の高校生10名及び引率教員1名を招へいしました。

招へいした高校生は、重慶市の重点校7校(重慶市育才中学校、重慶市巴蜀中学校、重慶市南开中学、重慶市第七中学校、重慶市第一中学校、西南大学附属中学校、四川外国語大学附属外国語学校)の日本の科学技術分野に高い関心を持つ成績優秀者で、日本の農業科学技術を支える研究機関や教育現場(高校・大学)の視察や学生交流を熱心にかつ精力的に行いました。

12月6日

夜8時過ぎに、11名が広島空港に到着しました。

12月7日

(1) オリエンテーション、開講式
ひろしま国際プラザの研修室で、オリエンテーションを行った後、開講式を行いました。
(2) 独立行政法人酒類総合研究所
お酒に関する唯一の国の研究機関で、「お酒ができるまで」というテーマで講義を受けた後、酒類製造実験棟に移動し、日本酒の製造過程を見学しました。
(3) 国立大学法人広島大学
先端物質科学研究科を訪問し、研究科長から先端研で行っている研究についての講義を受けた後、質疑応答を行いました。その後、2班に分かれ、研究科の学生たちの指導を受けながらバイオテクノロジーに関する実験に参加しました。
(4) 日本文化体験(浴衣の着付け)
ひろしま国際プラザの研修室で浴衣の着付けを体験しました。
写真1
開講式でひろしま国際センタースタッフとの集合写真
写真2
広島大学先端物質科学研究科での実験参加
写真3
広島大学先端物質科学研究科で研究科長の講義
写真4
ひろしま国際プラザでゆかたの着付けを体験

12月8日

(1) 株式会社 八天堂
同社のパン作りの特長や取り組みなどの説明を受け、工場を見学しました。
(2) 有田園芸農場
有田代表取締役社長から花や野菜の生産に関する研究や取組みについての講義を受け、農場を見学後、同社でメイン栽培しているじゃがいもの芋ほり体験をしました。
(3) 日本文化体験(いけばな)
ひろしま国際プラザの研修室でいけばな(華道)を体験しました。
写真5
有田園芸農園で芋掘り体験
写真6
ひろしま国際プラザで華道の体験

12月9日

(1) 広島平和記念公園
平和記念資料館を見学した後、原爆の子の像、原爆ドーム、爆心地を見学し、戦争の悲惨さと平和の尊さを学びました。
(2) 縮景園
広島名物のお好み焼き体験をした後、国の名勝であり広島の代表的な大名庭園である縮景園を散策しました。
写真7
世界遺産の原爆ドーム前での集合写真

12月10日

(1) 宮島
日本三景の一つで世界遺産でもある宮島を訪問し、厳島神社を拝観しました。
(2) 宮島水族館
宮島水族館を訪問し、バックヤードツアーを体験しました。
写真9
世界遺産の宮島で鹿と一緒の集合写真

12月11日

(1) ホームビジット
東広島市地域の伝統的な造りの赤瓦家屋を訪問し、室内見学のほか、折り紙の作り方を教えてもらいました。
(2) 広島県立西条農業高校
同校が取り組むスーパーサイエンススクール課題研究について、同校生徒から説明を受け質疑応答をしました。
その後、4グループに分かれて、グループワークの交流を行い、グループ毎に発表しました。
写真10
日本の伝統的農村家庭を訪問
写真11
西条農業高校の生徒との交流(WS)

12月12日

京都を訪問し、島津製作所創業記念資料館、清水寺、金閣寺を見学しました。

12月13日

関西空港を13時過ぎの飛行機で、上海経由で重慶市に無事帰国しました。

本プログラムに参加した重慶市の高校生および引率の先生からは、「忘れられない素晴らしい体験ができた」、「ぜひまた日本に来たい」などの感想が聞かれました。中国の青少年のみなさんは、日本に対する理解を深め、広島と関係の深い四川省・重慶市とのさらなる友好関係の促進ができたのではないかと思っております。

今回のプログラムにご協力いただいた各機関をはじめ、受け入れにご支援をいただいたJSTの関係者の皆様に感謝申し上げますとともに、今後ともこうした機会をアジアの多くの青年たちが体験できるよう、さくらサイエンスプログラムに期待しております。