2017年度 活動レポート 第272号:山梨大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第272号

インドネシア・ブラヴィジャヤ大学の学生との研修と交流

山梨大学国際流域環境研究センターからの報告

さくらサイエンスプログラムの科学技術体験コースにより、インドネシア・ブラヴィジャヤ大学の学生及び教員が11月20日から29日にかけて来日し、山梨大学 国際流域環境研究センターにて河川流域管理の先端技術について研修を行いました。

まず、山梨大学が開発する降雨流出モデル(降雨情報から河川流量を予測するプログラム)BTOPMCの使用方法に関するトレーニングを行いました。降雨流出モデルの仕組みについて学び、実際に自分の手で衛星リモートセンシングデータや雨量計データを用いてインドネシアにおける河川流量を計算しました。観測された流量と比較した検討も行い、帰国後に降雨流出モデルを自分が管理する河川へも適用できる知識と技術を習得できました。

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降雨流出モデルBTOPMCの使用方法に関するトレーニングの様子

次に、山梨の伝統的流域管理施設(信玄堤、万力林)を見学しました。武田信玄が約400年前にどのような狙いでこれらの施設を作ったのかについて多くの議論を行い、現代でも参考になる点が多々あることがわかりました。また、富士山レーダードーム館では日本を長年台風から守ってきたレーダーを、山梨県立科学館では様々な科学教育教材を見学しました。

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見学の様子(山梨県立科学館)

次に、日本の豪雨災害とその被害軽減に関する講義を受け、インドネシアにおける総合流域管理の在り方についてグループディスカッションを行いました。KJ法とブレインストーミングを用いたディスカッションを通じて、多様なアイディアを効率よく取りまとめる方法を体験しました。

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グループディスカッションの様子

次に、水質検査についてトレーニングを行いました。いくつかの水サンプルについて、簡易なパックテストから高度な同位体分析まで様々な方法で分析を行いました。洪水と渇水だけでなく、環境に配慮した河川管理を考えるためには水質が重要であることを学びました。

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水質検査に関するトレーニング

最後に、今回得られた成果についてプレゼンテーションを行い、ここまでティーチングアシスタントを務めてきた日本人学生と意見交換を行いました。山梨大学学生の皆さんにとっても、英語を用いてコミュニケーションを行い、他国の考え方に触れる良い機会となりました。

本プログラムを通じて、ブラヴィジャヤ大学と山梨大学との交流がさらに深まり、今後のさらなる共同研究の発展につながっていくことが期待されます。

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成果報告会の様子
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成果報告会後の集合写真