2017年度 活動レポート 第242号:筑波大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第242号

ベトナムとの強固な人的ネットワーク構築を目指して

筑波大学からの報告

さくらサイエンスプログラム:C.科学技術研修コースにより、2017年11月7日~11月16日の日程で、ベトナム社会主義共和国ハノイ工科大学(International Training Institute for Materials Science (ITIMS) Hanoi University of Science and Technology (HUST))より修士課程大学院2年生1名、ベトナム社会主義共和国ベトナム国家大学ハノイ科学大学(VNU University of Science)修士課程大学院1年生1名の計2名を招へいしました。

2人はハノイ工科大学においてBui Thi Hang准教授の指導のもとリチウムイオン電池に関する研究に取り組んでいます。本プログラムでは、筑波大学との共同研究活動により新規アノード電極材料の構造と組成について筑波大学の研究室で解析を行うことを目的としており、滞在中に測定、最新情報交換、今後の課題や計画の確認を行いました。

写真1
ベトナムから研修に来た大学院生2名が走査電子顕微鏡(SEM)観察を行っている様子

初日は大学内の見学や打ち合わせを行い、翌日から、彼女らが持参した試料について、X線回折(XRD)による構造解析、走査電子顕微鏡(SEM)による構造観察、X線光電子分光(XPS)による電子状態及び組成の解析、そして熱重量・示唆熱(TG・DTA)測定による試料評価を、筑波大学中村・近藤研究室の大学院生2名及び卒業研究生1名とともに行いました。

50個持参した試料のうち11個を厳選し、朝から夜までずっと実験を行いましたが、11月11日と12日は土日のため研究は休み、スカイツリーをみたり、浅草に観光に出かけたりしまして、短い時間でしたが日本の文化に触れることができたようです(この日、段ボール2箱分のベトナムへのお土産も買ったようです)。

期間中、たくさんの測定を繰り返して原理を習熟し、また学生間での英語でのコミュニケーションが大変充実しました。11月13日には研究室内で英語で行っている論文紹介のセミナーにも参加しました。

写真2
最終日に行った送迎会での記念撮影

2人とも筑波大学の特に学内の豊かな自然が大変気に入ったようで、また来たいと何度も言っていました。日本人学生へ与える影響も大きく、内向きがちな日本人学生を海外へ目を向けさせる良いきっかけとなったようです。

本プログラムを通じて、今後、ベトナム学生が本学大学院へ進学し、本研究室での研究の担い手となってくれること、さらには、日本人学生がベトナムへ留学し、ベトナムとの強固な人的ネットワーク構築へと発展していくことを期待しています。

最後になりましたが、このような貴重な機会を与えていただいた、さくらサイエンスプログラムにお礼を申し上げます。