2017年度 活動レポート 第229号:金沢大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第229号

共同研究の種まき:ベトナム、ハノイ鉱山・地質大学との交流

金沢大学からの報告

本研究室には、ハノイ鉱山・地質大学出身のDuさんという博士後期学生がいます。Duさんは真面目で、積極的な学生です。Duさんのような学生が一人でも金沢大学に進学してくれるきっかけになればと思い、サクラサイエンスプランをDuさんに紹介し、計画することにしました。

Duさんと相談した時に、ベトナムの地球科学に必要で、本地球学コースの強みである点を比較し、自然災害をテーマとして金沢大学地球学コースの教員にも協力してもらい実験・実習を体験するプログラムを準備しました。

このプログラムに、教員1名、学生が7名参加しました。学生のうち2名は、学生であると同時に教員でもあります。

まずは慣れてもらう:昼食会と福井恐竜博物館見学

到着してすぐに昼食会を行ないました。今回の滞在は1週間と短いものです。指導してくれる教員・学生も参加して、まずは顔を覚えてもらうようにしました。写真からも、最初は緊張している様子がうかがえます。

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学内の眺めのいいカフェテリアで歓迎会。今回お世話をしてくれる教員・学生も参加してくれました。

そして、時差を解消するために、週末を利用して福井恐竜博物館の見学を行い、北陸地域の地質の俯瞰とそれに伴う恐竜の化石などの見学を行居ました。学生だけでなくDuさんの家族も参加して、リラックスできたようです。

写真2
福井恐竜博物館での記念撮影

研究発表の雰囲気

週末を過ごす前に、学生にも研究発表を簡潔に行うように指示しました。一方で、教員の方にはベトナムの地質についての講義を行ってもらいました。 後から聞いた話ですが、学生は夜も遊びに行かずに、発表の準備をしっかり行っていたとのこと。素晴らしい。

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引率教員にも話題を提供してもらいました。

学生の発表は、英語の問題もあってなかなかうまく行かない学生もいました。我々も英語に関しては苦労しているので、その気持ちはわかります。しかし、内容に関して甘い部分があった場合には、厳しく対応しました。その結果、1名の学生には残念ながら途中で発表を辞めてもらうこととなってしまいました。悔しそうにしていましたが、仕方ない。

後日、帰国後その学生からメールをもらいました。最後まで発表できないことを謝るとともに、一生懸命準備したにも関わらず、途中までしかできずに悔しい思いを感じてくれたようです。最初から誰しもがうまく行きません。失敗した後に、彼がどこまで伸びるのか期待したいと思います。

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学生の発表風景。皆、緊張しているのがわかるような発表でした。

滞在中の研究活動

滞在中は、地球科学全般に使用できる分析機器などの使用方法とそれらが実際にどのように応用されているかなどを学びました。実際に現在進行中の研究している試料の化学分析を行いました。今後の共同研究できそうな試料も多く含まれていたのは収穫でした。

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固体試料の化学組成を分析する装置の見学。

その理論から学び、学生実習に加わることで実際の分析データ、その処理、応用について効率良く学ぶことができました。

実習・実験は実際の金沢大学の学生実験に混じり、日本人学生が学んだことをサクラ学生に説明することもあり、本学の学生にとっても良い経験になりました。

ちょっとした問題点

今回は、さくら学生の英語力に差がありすぎて、質問を向けている当人学生じゃないシニアの学生(教員)が答えてしまいことも少なくなく、人数が多くなった時の対応が難しいなと感じました。

最後に

最終日は、彼らが多くの時間を費やした光学顕微鏡室で記念撮影をしました。

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試料を観察することが最も重要です。そのため、多くの時間は光学顕微鏡室で過ごすこととなりました。
そこで、最後の日に記念撮影。

彼らが帰る日の朝に雪が積もりました。雪が降るのを見るのは初めての学生ばかりです。金沢大学の我々は、冬の始まりにうんざりしてしまいそうですが、さくら学生はみんな喜んでいたのが印象的でした。