2017年度 活動レポート 第180号:北海道大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第180号

カンボジアの学生が、北海道で日本の先端科学技術に触れる

北海道大学からの報告

さくらサイエンスプログラムによる支援を受けて、カンボジアのカンボジア工科大学(ITC)から学生10名(学部3~4年生)、引率教員1名の合計11名を8月24日から8月31日の日程で招へいしました。参加者は北海道大学で集中講義を受け、釧路コールマインと札幌市内のプラスティック選別センター等を訪れ、実操業の様子を見学し、最終日にはこの期間で学んだ成果を報告しました。

初日は歓迎会が開かれ、たこ焼きパーティーが行われました。学生たちはたこ焼きの作り方を教わり、たこ焼き作りに夢中でした。

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初日にたこ焼きパーティーに参加しました

釧路コールマインでは、海底下で最先端の設備を使いながら採炭をしている様子を見学しました。学生たちは鉱山のスケールに驚嘆するとともに、従業員の徹底した指差し確認を見て、安全面にも気を遣っていることに感心した様子でした。

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作業着を身に纏い記念撮影

プラスティック選別センターでは、家庭からのペットボトル等の収集やリサイクルの操業を見学しました。いつも使っているペットボトルが圧縮梱包されている様子や、回収した廃ペットボトルの選別・洗浄産物から、卵パックなどのPETシートが製造される様子も見ることができ、リサイクルの流れを理解し、自国との違いなどを話し合っていました。

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リサイクル工場にて説明を受ける学生たち

後半の研修では、金属製錬や岩盤力学に関する講義を受講しました。学生たちはとても向上心が強く、講義や見学先施設での説明に熱心に耳を傾けて、説明のあとには多くの質問が出ていました。この姿勢には、普段外国学生と接することの少ない施設関係者の方々も感心している様子でした。

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講義の説明に熱心に耳を傾けています

学習以外でも、日本での文化体験として釧路湿原、小樽の散策、海鮮丼、たこ焼き、スープカレー、すし等の、北海道ならではの食を満喫しました。学生たちはこの来日が初めての海外体験ということで最初は戸惑うこともあったようですが、帰国するころには日本の生活にも少し慣れている様子でした。

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釧路のノロッコ号を見てきました

最終日には、本プログラムの総括として報告発表会を行い、大学での講義、およびに各施設で学んだことについて発表しました。日本で新しいことを学ぶとともに、母国であるカンボジアの資源事情について再確認する時間にもなり、貴重な経験になったことと思います。

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最終日の報告発表会

本事業によって、参加者は日本の研究および高いレベルの科学技術に触れることができました。このような貴重な機会を与えていただいたさくらサイエンスプログラム、プログラムに協力していただいた関係各位に感謝するとともに今回の経験が、今後の日本との友好関係、協力関係の構築に発展することを期待します。