2017年度 活動レポート 第169号:岡山大学農学部

2017年度活動レポート(一般公募コース)第169号

タイの学生が、地域社会に貢献できる実践的先進農業技術を岡山で学ぶ

岡山大学農学部からの報告

2017年9月7日から9月15日までの9日間、タイ王国カセサート大学の学生10名を招へいしました。本プログラムの目的は、実践的かつ先進的な農学を学んでもらうことにより、タイの農業生産、地域経済に貢献してもらうことです。また、日本の文化的な側面も学んでもらい、将来、再来日してもらえるようなプログラム作りに努めました。

オリエンテーション

初日は、オリエンテーションということで、ディスカッション形式で講義を行いました。「日本とタイの文化の違い」「日本の科学技術はどのような企業文化を背景として生まれてきているのか」を議論しました。

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オリエンテーションでの講義風景(日本とタイの企業文化の違いについて)

ウェルカムパーティー

パーティーでは、今夏、カセサート大学短期プログラムに参加した本学の学生も出席し、カセサート大学VS岡山大学のかくし芸(?)大会を行いました。結果ですが、タイの学生の歌と踊りの能力に圧倒され、本学は完敗でした。

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神崎 浩国際担当理事を囲んで記念写真

農学部での講義およびフィールドワーク

農学部での集中講義では、農芸化学、応用植物科学、応用動物科学、環境生態学の4分野について学びました。応用動物科学コースでは、「鳥類の性分化に関する研究」について講義がされました。養鶏において、卵を産まないオスの雛が殺処分されている現状をどうすれば改善できるのか?、説明がされました。タイの学生と言えども、この現状について知っている学生は少なく、たくさんの学生から質問が出ていました。

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齋藤昇教授による「鳥類の性分化に関する講義

本学では、多くの留学生が研究をしていますが、その中でもベトナムからの留学生が中国からの学生に次いで多く学んでいます。同じ東南アジアの国として親近感があるのか、彼らの研究を熱心に聞いている姿が印象的でした。

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担当教員の話を神妙に聞く参加者(左からベトナム人留学生、タイ人招聘学生、教員)

フィールドトリップ

週末を利用して、倉敷科学センターに行ってきました。科学への理解を深めるための展示やアトラクションに触れ、充実した時間を過ごしました。

岡山大学の植物資源科学研究所(倉敷市)では、所内で講義を受けた後、実験機器について一つ一つ説明を受けました。カセサート大学にない分析機器も多く、引率教員から「これがあればなぁ…」という発言もありました。

実験圃場では、突然変異におこした稲について、説明を受けました。説明をしているのは、この分野をリードしている山地直樹准教授。Clarivate Analytics社によって、世界で最も影響力がある科学者として選出されています。

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植物資源科学研究所の分析機器に関する説明風景
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植物資源科学研究所の実験圃場での説明風景

プログラム後半には、探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」で採取した試料を解析したことでも有名な惑星物質研究所(鳥取県三朝町)を訪れました。農学とは異なりますが、その壮大な研究設備から「最先端」ということを肌で感じることができました。

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惑星物質研究所での分析機器に関する説明風景
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倉敷科学センターのアルキメデスのポンプ

後楽園&岡山城見学

岡山と言えば、後楽園と岡山城。ここでは人数限定で、お殿様とお姫様の衣装を身にまとうことが出来ます。初めての着物に満足したようです。

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岡山城での着付け体験

最終日は、8月のカセサート大学短期プログラムに参加した本学学生と一緒に大阪見学をしました。別れの時は、涙涙…。今でもSNS等で交流を続けているようです。「今までで一番充実した夏だった」という参加者の声が印象的でした。

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本学農学部の石碑前で本学学生と一緒に記念写真

本プログラムをご支援いただいた、さくらサイエンスプログラムに御礼申し上げます。