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活動報告(一般公募コース) 第167号

ベトナム、台湾の大学生が、関西学院大学で最先端の研究に触れる

関西学院大学理工学部からの報告

 2017年10月10日(火)~17日(火)の1週間、さくらサイエンスプランで、ベトナム国家大学から5名の学生と1名の教員、国立台湾師範大学から3名、国立台湾交通大学の学生が招へいされ、持続可能なエネルギー社会のための最先端エネルギー材料・デバイス開発・分析環境の体感する研修プログラムが実施されました。

 本学神戸三田キャンパスで先進エネルギーナノ工学科、環境・応用化学科の教員による特別講義・実験、SPring-8で最先端の研究を体感、毎日の振り返りを行い、最終日には大学ごとに1週間の成果を発表しました。

 プログラムの様子をご報告します。

<10月10日>

 開会式、オリエンテーションを経て、歓迎会を開催。歓迎会には留学生やTAも参加し、招へい者間同士はもちろん、関西学院大学の学生・教職員ともすぐに打ち解けました。

写真1
到着してすぐ、キャンパスにて記念撮影

<10月11日>

 午前は、尾崎専任講師による特別講義を受講しました。究極の省エネ材料である超伝導体の発見の歴史や結晶構造、物理現象について学び、超伝導材料技術を用いた応用例や課題について理解を深めました。

 その後、市販されている超伝導テープ線材と磁石、液体窒素を用いて、学生全員が磁気浮上現象を体験し、超伝導物質が磁石の上に浮く様子を熱心に観察していました。

写真2
磁気浮上現象を体験

 午後は抵抗測定法について学び、実際に高温超伝導体に電極端子付けを行い、抵抗の温度依存性を測定しました。温度の低下に伴い抵抗も低下していく様子を観察し、超伝導体がゼロ抵抗になった瞬間は歓声を上げて喜んでいました。

<10月12日>

 この日は、そのSPring-8の見学です。以前、SPring-8に在職し、持続可能なエネルギー社会実現を目指し本学に異動した藤原教授が、大型放射光施設SPring-8やX線自由電子レーザーSACLAの構造やどのような研究に使われているかの説明をしました。

写真3
SPring-8にて記念撮影!

 その後、一般見学では見る事のできない実験ホール内へ。世界最高性能の分析ツールが巨大なーホール内に並んでおり、まさに日本の最先端技術に触れる機会となりました。本学理工学研究科が使用しているビームラインや台湾が使用しているビームライン、また、そこで行われている研究内容を紹介してもらいました。

 一同、研究員や藤原教授の説明に熱心に聞き入り、多くの質問をしていました。ほぼ一日かけて見学し、少し疲れも出て来てきたところでしたが、ホテルに帰ってからも復習をして最終日のプレゼンテーションの準備をしました。

写真4
最終日の発表会にむけて真剣に準備しています

<10月13日>

 午前は、鹿田教授による特別講義を受講しました。現在の環境と喫緊の課題、エネルギーに課せられた課題と対策例などについて学びました。日本で進行している新材料パワーデバイスによる電車の省エネ、ハイブリッド車に使われてガソリン削減などについて、実際の自動車のボンネットを開けて見て、体験しました。

 午後は、関学大に隣接する兵庫県最大のソーラー施設見学を通じて、低圧DC発電から、6.6k VACに変換する過程など学びました。その後、半導体デバイスの工程を一部体験実習しました。クリーン服に着替えて、クリーンルームでの工程をデモ体験する機会があり、貴重な体験を喜んでいました。

<10月14日>

 午前は、壷井教授による特別講義を受講しました。講義では、デバイス材料の分析に関連して、元素分析に関する機器分析法である、蛍光エックス線分析法、ならびに誘導結合プラズマ分析法について、その原理や装置の仕組みを学びました。

 午後は、実際の試料とともに現代の物質文明社会に欠かせない希土類元素など、多数の元素が含まれている岩石の分析化学実験を体験し、大学の研究で使われている最先端の分析装置を使いながら、分析手法の実際について理解を深めました。特に蛍光エックス線分析法では、様々な物質の微小な領域について短時間で元素を同定することができ、注目を集めていました。

<10月15日>

 3日間の特別講義・実験と1日の最先端施設SPring-8の見学という新鮮かつ濃密な4日間を過ごし、翌日には最終発表に備えた日曜日、休息を兼ねながら、日本文化への理解も深めるために、京都・嵐山を散策しました。

写真5
日本文化への理解も深めるために、京都・嵐山を散策

 案内は、自らバックパッキングで海外旅行に挑んだり、逆に、国内では外国人旅行者にボランティアで案内をしたりと、アクティブに活動している関西学院大学の学生グループがしてくださいました。

 文化や自然に触れながらの交流は、講義や実験を通しての交流とは一味違う国際交流の機会にもなりました。往復の電車移動では、円滑な列車運行やそれを実現する日本の高い技術に関しての話題でも盛り上がり、理系学生ならではの視点で、伝統・文化を大切にしながら技術立国として存在感を示す日本を堪能した一日でした。

<10月16日>

 午前中は関西学院大学大学院理工学研究科前期課程で学ぶ留学生も交え、日本での留学、研究生活についての紹介と、ざっくばらんなQ&Aセッションを設けました。招へい者からの質問が絶えず、話しきれないほどでした。

 午後からは一般の学生も聴衆に巻き込みながら1週間のプログラムを振り返る発表会を開催。各大学ごとにそれぞれの異なる視点からまとめられており、質疑応答も活発に行われ、短い期間ながら、充実した成果が得られたことがうかがえました。

写真6
発表会では議論も白熱!

 修了式では、皆の一週間の成果を称え、学部長から修了証を授与されました。送別会にはプログラムで関わった多くの人が参加し、大いに盛り上がりながら、別れを惜しんでいました。

写真7
修了式にて。アオザイを着て学部長と

<10月17日>

 無事故で1週間のプログラムを終え、それぞれの母国へと帰路につきました。

平成29年度 活動報告