2017年度 活動レポート 第8号:岡山大学大学院自然科学研究科

2017年度活動レポート(一般公募コース)第8号

内モンゴル民族大学との交流~日本の先端的工学研究・技術に触れる

岡山大学大学院自然科学研究科 五福明夫さんからの報告

岡山大学大学院自然科学研究科では、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、 2017年7月16日(日)から23日(日)の8日間にわたって、内モンゴル民族大学の教員1名と機械関連学科の学部4年次生14名を招へいし、ロボット工学、システム工学や生物機能工学に関する先端的な研究や技術に触れていただきました。

本実施でのロボット工学、システム工学や生物機能工学に関連する講義、実習や見学は以下の通りです。

17日

午前にはオリエンテーションがあり、研修スケジュールや注意事項等についての説明を受けました。午後には、生物の機構や知能を模擬したヘビ型ロボットの研究・開発に関する特別講義(亀川哲志講師)を受講しました。その後、岡山市内を散策し、岡山城と後楽園を訪問して中世の日本文化に触れました。

写真2
ヘビ型ロボットの研究に関する特別講義(17日午後)

18日

産業用小型ロボットアームの操作実習、カメラを用いて対象を認識してロボットアームを自動動作させるプログラム作成実習を行い、また3Dプリンタを用いたオリジナルメダルの設計、製作を行いました(指導者:柴田光宣技術職員)。

夕方には、インタフェースシステム学研究室の学生企画で歓迎会が開催され、学生同士の交流を深めながら、岡山名物の白桃と庶民の味のたこ焼きを楽しみました。

写真3
小型ロボットアーム操作実習(18日)
写真4
歓迎会(18日夕方)

19日

午前には、インタフェースシステム学研究室で実施されているロボット工学やシステム工学に関する研究について、所属の学生よりデモンストレーションと説明を受けました。また、午後には、多数のリンクからなるヘビ型ロボットを共同製作し、ヘビ型ロボットの機構と制御方法の基礎を実習しました(指導者:亀川講師)。

写真1
完成したヘビ型ロボットを持って(19日午後)

20日

瀬戸内海を一望できる鷲羽山より水島コンビナートを遠望し、与島パーキングエリアで瀬戸大橋を間近に見て四国へ渡り、讃岐うどんの昼食後、香川大学林町キャンパスを訪問しました。

工学部知能機械システム工学科でロボット関連研究を推進されている佐々木大輔准教授から、パワーアシストを行うウェアやグローブの開発に関する講義を受講した後、研究室においてパワーアシストウェアの見学をしました。

また、井上恒助教の研究室において人体の動きの精密計測や高機能な大腿義足の開発などの先進的技術を見学しました。

写真5
パワーアシストを行うグローブのデモンストレーション(20日)
写真6
歩行動作の精密計測

21日

午前に模擬講義として、「電子回路」(学部2年次生対象)ではオペアンプ、「安全インタフェースシステム学」(大学院博士前期課程科目)では、システムの安全性向上に対して近年注目されているレジリエンス工学についての講義(実施代表者:五福明夫教授)を受講しました。

また、招へい者の希望により、球面モータの動作原理についての講義も受けました。

午後には、岡山大学大学院自然科学研究科で先進的なiPS細胞を用いたドラッグデリバリーなどの研究を進めている妹尾昌治教授のナノバイオ分子設計学研究室と、マイクロなアクチュエータ研究を推進している神田岳文教授のシステム構成学研究室での研究状況を見学しました。

写真7
ナノバイオシステム分子設計学研究室の紹介
写真8
システム構成学研究室の見学

また、日本の文化や技術に触れるために、17日にはオリエンテーションと特別講義の後、岡山城と後楽園、20日には倉敷科学技術センター、倉敷美観地区、大原美術館を訪問いただきました。

本実施は招へいした学生さんにとっては、日本の先進的なロボット工学、システム工学、生物機能工学の一端を身近に見たり触れたりできたことにより、今後の学習意欲が高まったとのことででした。

また、日本への留学意欲も大いに高まったようで、留学のために自分がすることなどの質問が出たりしました。岡山地区の歴史的文化に触れることもでき、大変有意義であったとの感想でした。また、引率の教員にとっても、今後岡山大学と連携して内モンゴル自治区での関連研究の発展を図りたいとのことでした。

写真9
修了証授与