2017年度 活動レポート 第2号:東京理科大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第2号

日本型理科教育の方法論について学ぶ

東京理科大学からの報告

2017年5月29日から6月4日まで、中国の曲阜師範大学より、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、物理を専攻している8人の大学生と2人の先生が東京理科大学川村研究室に滞在しました。

エネルギー・環境教育の研究を行っている当研究室では、物理や理科の教員を目指す中国の学生たちに、日本の大学の物理教育や教員養成の様子を学んでもらいました。

初日、5/29は午後に羽田でお出迎えをしたのち、夕方には歓迎会を開きました。最初はお互いにおっかなびっくりだった雰囲気も、会の最後には今開発中の実験機を用いて賑やかなディスカッションが始まり、良い会となりました。

翌日からは、東京理科大学の実際の講義を受講してもらいました。5/30には三浦教授の大気物理学の授業で、富士山の上の傘雲から黄砂に至るまで、事例の写真を交えながらの講義に、興味津々の様子でした。

写真2
授業後に三浦教授に質問をする曲阜師範大学の学生と先生たち

同日夕方からは蔡教授の最先端の超伝導の講義に参加し、そのまま川村研究室主催の市民を対象にした、理科実験教室に参加しました。大きなモンキーハンティング実験器を題材にした斜方投射の実験教室で、探求型学習についての議論が弾みました。

5/31は渡辺教授の物理数学の授業に参加し、大学初年度の物理教育でどのように数学的基礎を培っているかを学びました。

午後には理科教育論の講義に参加し、教員志望の大学生たちと一緒に、理科実験におけるケガなどの危険性について積極的にディスカッションしてもらいました。

夜には川村研究室の輪講ゼミに参加し、研究室の色素増感太陽電池や温暖化デモンストレーション実験機について学びました。

6/1は朝早くに新幹線に乗り、京都へ向かいました。日本の理化学機器製作の先端を行く島津製作所が、創業100年を記念して設立した島津創業記念資料館を訪れ、スタッフの案内で日本の科学教育教材の開発の歴史を学びました。

写真3
スタッフの解説に真剣に耳を傾ける招聘者

翌日は京都大学を訪れ、基礎物理学研究所にて日本人初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士の弟子である、坂東昌子先生の講演を受けました。最後の質疑応答では活発な議論が行われ、交流を深めていました。

写真4
坂東先生の講演の様子

その後は京都大学の博物館を訪れ、京都大学がこれまで調査で収集した数多くの資料や標本を見学しました。

6/3には京都から東京へ戻ってきて、川崎の東芝未来科学館にて、川村教授主導の分光筒実験教室を見学してもらいました。小学生にも分光や省エネ電球などの原理について分かりやすく伝える様子に、強く感銘を受けていたようです。

夜には修了式とパーティを行い、孔子の論語について、また日中の理科教育の違いについて、英語で歓談を楽しみました。

6/4最終日は羽田空港までお送りしました。交通機関の違いやライフスタイルの違いなど、話すことは尽きませんでしたが、お別れしました。まさに、有朋自遠方來不亦樂乎、再見!

写真1
最終日、空港にて