2017年度 活動レポート 第1号:三重大学看護学科

2017年度活動レポート(一般公募コース)第1号

医学・看護学教育を大学と地域医療現場の双方で体験する

三重大学看護学科からの報告

タイ、チェンマイ大学看護学部からの一行は、2017年5月18日16:30三重大学看護学科に到着しましたた。さくらサイエンスプログラムの開始式とオリエンテーションでは、担当者と附属病院看護部長からの歓迎の挨拶を受けました。

19日は看護学専攻長畑下教授の挨拶のあと、紀南病院(三重県御浜町阿田和)へ移動しました。紀南病院では、院内の概説、地域の医療供給体制と少子高齢化が進む地域の問題点などの解説を受け、遠隔地でもIT機器を駆使して対応する様子を見学しました。

同院職員との昼食では、タイ・本邦の共通する問題点、タイでのナース・プラクティショナーの話題など、多岐に議論しました。

午後には、紀南病院看護部長 廣畑靜氏と森本真之助医師とともに、紀宝町浅里地区に移動しました。

浅里地区は、にほんの里100選のひとつで、熊野川沿いにのどかな里山が、飛雪の滝に隣接して展開しています。 2011年 台風12号により甚大な被害を受けたところでもあります。地域住民から直接、被害の状況や復興活動の現状を聴き、地域の医療ばかりでなく、生活全般を支える紀南病院の活動は全員の印象に残ったことと思います。

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浅里生活改善センターでの地域住民との意見交換会にて。南牟婁郡紀宝町浅里
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地域住民に必要な災害時の対策を解説する森本真之助医師(紀南病院,内科)

20日は、第20回国際福祉健康産業展(ウェルフェア2017、ポートメッセなごや)を訪れました。多様な機器展示があり、自動車関連企業の展示スペースが注目されましあた。ホンダの、腰部に装着する運動補助機器の体験コーナーでは、学生も試着して有効性を体験しました。

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ウェルフェア2017 会場のポートメッセなごや前にて支援の三重大学生&教員と
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ホンダ歩行アシスト 装着中のCMU学生

21日は、三重県立博物館および県立総合文化センターを訪問し、三重県の地質、中央構造線と火山史、古生物から現代までの生物、文化、歴史などを学習した後、看護学科棟の調理実習室にて共同して作った軽食をとりながら、看護教育の様子や将来について参加者相互に議論しました。

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日・タイ学生交流企画での交流風景。三重大学医学部看護学科中庭にて

22日は、三重大学環境情報科学館および三重大学附属図書館を訪問し、環境への取り組みを学習しました。

附属病院手術室では、最新の機器とロボット手術について研修しました。看護部のスタッフとの意見交換では、タイ、日本の差違について見識を深めました。また、引率のDr. Usanee Jintrawetの夫君(チェンマイ大学農学部長Attachai Jintrawet教授)の友人である、本学生物資源学研究科長の梅川逸人教授にも面談した。

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三重大学医学部附属病院 中央手術室で最新の機器の見学
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生物資源学研究科長 梅川逸人教授 訪問

23日は、鈴鹿医療科学大学を訪問しました。HAL Pitではロボット装具、HALについて学習しました。筋肉の動きを感じて補助するのではなく、表面電位の変化を関知して、筋肉が動く前に機械がアシストする様子を、実際に装着して体験できました。リハビリへの応用と、生体のフィードバック機構を、症状改善や進行防止に利用している様子を理解することもできました。

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HAL Pitでの研修風景[鈴鹿医療科学大学内]から

期間中に、三重大学医学部附属病院、スキルズラボ(MiT: Mie University Institute of Technical Skill Education)での研修も行いました。各種、シミュレーション機器により、医師ばかりでなく看護師もトレーニングに活用している様子を体験しました。

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三重大学医学部附属病院スキルズラボでの研修風景

24日午前を総括準備に宛て、午後に三重大学学長を訪問し、さくらサイエンスプログラムの学習結果などの質問を受けました。その後、看護学科にてタイ側の学習成果発表と総括を進めました。

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三重大学駒田学長と研修生ら

そのご開催された送別会では、多くの学生、教員の参加を得て、さくらサイエンスプログラムの修了証書とピンバッジ贈呈式を行いました。

25日朝、一行はタイにむけて中部国際空港から所定の便で帰国し、翌日12:00までに全員からの無事帰国を確認しました。