2016年度 活動レポート 第2号:日本の青年科学者訪中団の壮行会が開催されました

活動報告(その他のプログラム) 第2号

日本の青年科学者訪中団の壮行会が開催されました

科学技術振興機構(JST)からの報告

日中の科学技術交流を促進するため中国科学技術部が、中日若手科学技術担当者交流計画をスタートさせることになりました。今回、中国の招待により、日本の科学技術関係省庁と大学・国立研究開発法人の研究者・管理担当者ら78人が10月9日から1週間、中国を訪問し、北京や地方都市で科学技術政策担当者と意見交換し、科学技術施設、関連企業などを見学します。

出発に先立って、10月7日の夕方、都内の駐日中国大使館で、程永華大使主催による壮行会が開かれました。壮行会には、40歳以下で中国での駐在経験がないという条件にかなう内閣府、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省の若手行政官と、大学、国立研究開発法人の研究者・管理担当者らから成る訪問団員に加え、府省、大学、国立研究開発法人の幹部、メディア関係者など約100人が集まりました。

出席者たちを前にあいさつした程大使は、「現地でよく見て、聞いて、感じることで.中国に対する全面的、客観的かつ理性的な認識をもっていただきたい。また、同じ立場の若手担当者と交流することで、中国の科学技術発展に対する認識と理解を深め、友情の絆を結んで、今後、交流を深めていただきたい」と、参加者たちに語りました。

JSTは、さくらサイエンスプログラムを2014年にスタートさせました。高校生以上、40歳以下の青少年を短期間招待し、日本の科学技術に触れてもらうプログラムですが、招へい者たちに対するアンケートでは、ほとんどの人が「満足した」と答えているように、期待通りの成果が上がっています。参加者数も初年度の2945人から、次年度は4226人、3年目の今年度は5000人以上(予定)と年々、増えています。

さくらサイエンスプログラムでは、高校生をJSTが直接招へいするプログラムと一般公募により実施されるプログラム以外に、行政官を対象にしたコースも行われています。中国からは、初年度に40人、次年度40人、3年目の今年度は60人(予定)の行政官が日本に招かれています。「中日若手科学技術担当者交流計画」は、さくらサイエンスプログラムの中国側とりまとめ機関である中国科学技術部が、さくらサイエンスプログラムの意義を認め、100万元(約1,500万円)の予算を組んでスタートさせた事業になります。

程大使は、挨拶の中で「さくらサイエンスプログラム」の成果を称えるとともに、「中日若手科学技術担当者交流計画」のスタートに当たっては、駐日中国大使館が積極的に働きかけたことを明らかにし、交流計画に大きな期待をこめていることを強調されました。

壮行会では、程大使の他に、文部科学省から前川喜平事務次官、JST 沖村憲樹特別顧問が挨拶され、阮湘平公使参事官の挨拶のご発声の後、JST中国総合研究交流センター代表の有馬朗人元東京大学総長を囲んで、和やかに懇親のひとときを持ちました。

壮行会に参加した訪中団の一行
挨拶をされる程駐日中国大使
文部科学事務次官の前川喜平氏

JST沖村憲樹特別顧問
駐日中国大使館の阮湘平公使参事官

有馬朗人元東京大学総長
程大使を囲んでご歓談