2016年度 活動レポート 第349号:長岡技術科学大学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第349号

摩耗を考慮したフレッティング疲労強度の予測手法構築

長岡技術科学大学からの報告

長岡技術科学大学では、トゥンフセインオンマレーシア大学より2名を招へいし、2月26日から3月12日までの間に共同研究活動を実施しました。

トゥンフセインオンマレーシア大学とは、接触部で発生するフレッティング疲労強度に対し、摩耗を考慮することで、長期間使用時の接触面の損傷や接触圧力の変化を考慮できる、高精度の予測手法を開発することを目指して国際共同研究を進めております。

*フレッティング(接触する二物体間に微小な往復滑りが繰返し作用したときに生じる表面損傷のこと)

今回の交流では、フレッティング疲労試験における力学的条件を検討し、摩耗を考慮すべき条件を明らかにするための、共同研究活動を実施しました。

フレッティング疲労に関する世界的に有名な研究者である、長岡技術科学大学武藤睦治名誉教授より、フレッティング疲労に関する特別講義を実施して頂き、フレッティング疲労に関する最先端の知見や、研究動向について活発な討論が実施されました。

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フレッティング疲労に関する特別講義

最先端のフレッティング疲労試験その場観察装置を用いた、フレッティング疲労時の摩耗発生挙動の観察を招へい者に実施してもらい、摩耗発生状況の観察結果についての考察と議論が、日本人学生との間で実施されました。

また、実験結果を元に有限要素解析を実施し、摩耗が発生する力学的条件の解析と検討が行われました。

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有限要素解析の実施と討論

得られた成果、および今後の国際研究計画についても成果報告が行われ、活発な討論がかわされました。

また、本学が主催する国際会議も聴講して、材料関係の研究について質疑応答に参加し、本学の研究水準の高さに感心しているようでした。

滞在期間中に、共同研究活動のみならず、日本人学生や本学留学生との交流も積極的に行われました。本学の食堂で提供されているハラール食も試食しました。

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日本人学生・留学生との交流

学生との交流会では、お互いの興味や文化など、様々な点について英語での会話でコミュニケーションをとっており、日本人学生にとっても大変良い刺激となりました。

滞在期間は15日間と短期間ではありましたが、濃密な実験と討論が行われ、参加者は大変満足しているようでした。帰国後の共同研究活動についても打ち合わせが行われ、今後も共同研究を進めていくために、交流をより活発にしたいとの思いがより強くなりました。

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修了証の授与