2016年度 活動レポート 第208号:九州大学大学院システム生命科学府

2016年度活動レポート(一般公募コース)第208号

バイオメディカルエンジニアリング最先端研究の体験

九州大学大学院システム生命科学府からの報告

さくらサイエンスプログラムにより、2016年10月17日から10月25日までの日程で、ヤンゴン工科大学メカトロニクス学科から、准教授3名、大学院生3名、学部生4名の計10名を招へいし、九州大学システム生命科学府において「バイオメディカルエンジニアリング最先端研究の体験」交流プログラムを実施しました。

バイオメディカルエンジニアリングは医学と工学の学際領域の分野であり、医学の診断や治療、また、医療機器、福祉機器の開発において重要であります。

最先端医療を支える医療機器技術ばかりでなく、先端医療がまだ十分に行き届いていない発展途上国においても、誰もが安く医療を受けられるように、安価で取り扱いが簡単な機器の開発など、この分野がアジア諸国の大学の中でも関心の高い学問分野となっています。

本交流プログラムの目的は、ヤンゴン工科大学の若手研究者や大学院生、それに学部生に、システム生命科学府の研究や日本の技術、さらには日本文化を体験することにより、ミャンマーにおけるバイオメディカルエンジニアリングの発展に貢献することです。

本交流プログラムは、(1)システム生命科学府における研究室体験 (2)バイオメディカルエンジニアリングワークショップを通じての学生との交流 (3)日本の企業見学 (4)福岡文化体験 からなります。

研究室見学、研究体験が3日間にわたり行われました。

システム生命科学府を担当している教員の認知科学、脳情報処理、制御工学研究室、ナノ・マイクロ医工学、生命プロセス工学研究室、機能組織化学研究室、生体機能工学研究室等において、最先端のバイオメディカルエンジニアリングの研究を見学しました。

初めて見るような研究ばかりであり、とても刺激を受けたようでした。

生命プロセス工学研究室見学
機能組織化学研究室見学

学生、教員の交流、情報の共有のため、バイオエンジニアリングワークショップを開催しました。ヤンゴン工科大学の10名に加え、システム生命科学府をはじめとする九州大学から約30名の教員、大学院生、学部生が出席し教育講演や各自の研究の紹介が行われ、学生、教員の活発な交流が行われました。

バイオメディカルエンジニアリングワークショップ
ワークショップでの教育講演

ワークショップ後交流会

企業見学では、新日鉄住金(株)八幡製鉄所、TOTOミュージアム、日産自動車九州(株)、ヤクルトの各工場ました。特に自動車工場では、最先端のオートメーション技術に驚いていました。

文化体験として、太宰府市の大宰府天満宮を訪れ、参拝し、境内を散策しました。また、福岡市博物館を訪れ、福岡とアジアの国々の関係の展示物を見学しました。

太宰府天満宮社殿前
参拝前のお清め

今回、9日間という短い期間のプログラムでの研究体験、日本の文化体験でしたが、招へいしたヤンゴン工科大学の10人にとっては、充実したものであったと確信いたします。

参加した学生は「ぜひとも日本の大学院、特に九州大学の大学院に入って、研究したい」とのうれしい言葉を残して帰っていきました。

最後に、本プログラムを実施するにあたり、ご協力頂きました、教員、事務職員の皆様、ならびに学生・大学院生に感謝いたします。また、本招へいをご支援いただきました、さくらサイエンスプログラムのスタッフの皆様に深く感謝、御礼申し上げます。

ブレインコンピュータインタフェイスの体験
脳波計測の被験者を体験