2016年度 活動レポート 第150号:大分大学医学部

2016年度活動レポート(一般公募コース)第150号

タイのホープ高校生が日本の医療を体験する

大分大学医学部からの報告

大分大学医学部では、タイのサイエンススクールの高校生13名を、平成28年10月10日~17日の日程で、さくらサイエンスプログラムにより受け入れました。

招へい者はタイ全土に13校あるサイエンススクール(チュラポーンスクール12校、マヒドンウィッタヤヌソンスクール)から各校1名の13名と引率教諭1名の計14名(女子10名、男子3名)です。

今回の招へい者の多くが医歯薬系を志望しており、大分大学での研修を楽しみにしてきました。タイの教育省は、チュラポーンスクールの生徒をタイの「ホープ」と位置づけ、将来のタイの科学技術を担う人材として育成しています。

守山医学部長と招へい学生

主な活動内容は以下の通りでした。

10日:福岡空港から大分へ移動 太宰府天満宮・九州国立博物館見学

11日:医学部歓迎行事、附属病院見学、本学女性研究者との交流会

12日:研究室でセミナー(分子病理、環境・予防医学) 、スキルスラボ体験(消化器外科講座、外科糸結び、腸管縫合体験)

13日:大分舞鶴高校体験入学(日タイのサイエンススクールの交流)

14日:(株)TOTOサニタリー中津工場見学、中津城観光

15日:大分高専との交流
(ミシンボランティア部との交流、別府地熱見学、大分市内中心部散策)

16日:修了式、福岡移動 夢大吊り橋、福岡タワー見学

17日:福岡空港から帰国

受け入れの概要

大分大学医学部では、ASEAN諸国への医療技術支援をはじめとした医療の国際化を推進すると共に、医療のグローバル化に対応すべく、タイ人医師の養成を目的とした学部留学生を受け入れる準備を進めています。

昨年に引き続き、日本の先端的医療を見学・体験し、医学部進学・医学研究への興味を深めるとともに、将来を担う日タイの若者の交流を促進することを目的とし、タイの13名の高校生を受け入れました。

プログラム作成にあたっては、学術的な面のみならず、日本文化・自然・生活習慣を体験できる内容とし、大分舞鶴高校(スーパーサイエンスハイスクール指定校)、国立大分工業高等専門学校の協力を得て、年齢が近い生徒同士の交流も盛り込みました。

日本文化体験

大学付属病院見学では、高度に自動化された血液検査システムや、画像診断装置を見学し、ドクターヘリを間近で見学した際には先進的な救急システムに感銘を受けていました。

付属病院検査部見学

体験型実習として、外科手術体験を行い、手術着に着替えて現役の外科医から丁寧な指導を受け、糸結びとゴムチューブを用いての腸管縫合実習を行いました。外科医になりきり、難しいながらも目を輝かせて取り組んでいる姿が印象的でした。

外科医になりきり縫合実習
顕微鏡実習で胃の病気について学ぶ

ピロリ菌のセミナー

大分舞鶴高校での一日交流では、日タイの高校生がそれぞれの研究を英語で発表し、合同授業では分子量測定の実習を数人ずつのグループで協力して行いました。

医学部生と英語の合同授業

英語でのコミュニケーションに慣れてない部分もありましたが、言葉で伝わらなくても身振り手振りを駆使して意思の疎通をおこない、溌剌とした若い交流が芽生えていました。

大分舞鶴高校とPCCロッブリー校とは、一昨年12月に交流協定が締結されました。本年から生徒の相互交流が開始され、今後の息の長い交流が期待されています。

舞鶴高校生と折り紙で交流
修了証をもらい記念写真

メディア、広報等

10月11日放送NHK大分「しんけんワイド大分」
10月12日放送 OABニュース
で本事業の様子が取り上げられました。
交流の様子はFacebook (Sakura Exchange Program in Science - Oita)でも公開していています。