2016年度 活動レポート 第127号:サレジオ工業高等専門学校

2016年度活動レポート(一般公募コース)第127号

フィリピン・タイ・日本三国間学術文化交流
-世界的視野を持つ若きエンジニアのために-

サレジオ工業高等専門学校からの報告

サレジオ工業高等専門学校では、Don Bosco Technical College (Mandaluyong, Philippines)よりフィリピン人学生10名、Thai-Nichi Institute of Technology (Bangkok, Thailand)よりタイ人学生2名を招へいし、2016年10月22日-29日の日程で国際交流プログラムを実施しました。

フィリピン・タイ・日本の若き学生たちが国籍・文化背景の垣根を越えて意見交換し、互いを刺激し合いながら、今後歩む道を世界的視野から考えてほしいという本校の切なる願いを、さくらサイエンスプログラムの多大なるご支援を賜り実現することができました。

本プログラムの特色は下記の通りです。

ア)本校は小規模な教育施設ながら、教員・学生がユニークな研究成果を内外に積極的・継続的に発表しています。その本校の教育カリキュラムの根幹をなすハンズオン教育の内容を実地紹介しました。各研究室における取り組みの見学、ものづくり空間「夢工房」の見学、各担当スタッフからのブリーフィングを通して、小さなものづくりの重要性を説きました。

情報工学科数理モデル研究室訪問

イ)小さなものづくりの集大成としてのMade in Japanを、東芝エレベータ(株)府中工場・山梨県立リニア見学センター等の見学を通じて実際に体感してもらい、最先端の技術について知識を深める機会を提供しました。

山梨県立リニア見学センター見学

ウ)狂言・茶道・着付・書道等の伝統的日本文化を体験する機会を提供し、また、明治神宮・浅草寺等にも参拝することで、日本の技術革新の背景にある、長い歴史に裏打ちされた日本人の精神性に触れてもらえるよう配慮しました。

書道体験
着付体験・茶道体験

エ)本校の校是の一つである「技術は人なり」を交流の基本に据え、フィリピン人学生・タイ人学生・日本人学生が互いを理解し友情を深められるような人的交流の場・時間を確保し、若きエンジニア達がこれからの人生においても継続的に刺激し合い、友好関係を保ちながら邁進できるよう配慮しました。

オ)本研修の集大成として、ミニシンポジウムを開催し、フィリピン人学生・タイ人学生によるプレゼンテーション、日本人オーディエンスを含めたディスカッションを行い、相互理解の深化、将来のビジョンの明確化に繋げました。

ミニシンポジウム発表風景
ミニシンポジウム発表スライド例

プログラムが進むにつれ、フィリピン人学生・タイ人学生・日本人学生の目に輝きが増していくのを見て取れたのが印象的でした。積極的に学び、積極的に友好を深めようとする姿勢にも感銘を受けました。世界的視野を持つ若きエンジニアの育成を目指した本交流活動を可能にし、成功に導いてくださったさくらサイエンスプログラムに心より感謝申し上げる次第です。