2016年度 活動レポート 第26号:東京大学地震研究所

2016年度活動レポート(一般公募コース)第26号 (Bコース)

アジアの学生たちの地震に関する共同研究

東京大学地震研究所からの報告

2016年7月4日から22日まで、3週間にわたってさくらサイエンスプログラムによる交流プログラムを実施しました。今回来日したのは、中国の北京大学および中国科学院大学、台湾の国立中央大学および国立台湾大学、韓国・ソウル大学校、インド科学教育研究大学、インド工科大学からカラグプール校から、合計9名の大学生、大学院生たちでした。順調に計画は進行し、来日した学生たち,ホスト側の教員の双方にとって意義のあるプログラムとなりました。

7月3日に10名中9名が無事到着しました。(残り1名は家庭の急用で1日遅れで到着)4日にはガイダンス(木下教授および国際室による地震研究所の概要説明など)を行い、全員元気な様子で、終了後に早速、指導教員のところに分かれて作業を開始し、7月15日まで継続しました。

7月16日の朝、上野駅に集合して仙台に移動しました。最初の目的地である「閖上(ゆりあげ)の記憶」までの移動の間、高速道路の上から津波の状況説明を佐竹教授が行いました。

閖上ではビデオの上映から,ボランティアの方による説明と続き、館内での航空写真による避難のときの状況説明(最初は小学校、そして中学校に避難、その屋上で難を逃れた)、子供のメンタルケア、亡くなった中学生の遺品、屋外で亡くなった中学生14名の名を記した石碑、日和山からの眺望(再建が進むと被災の記憶が消えてしまうことの問題)、石巻市による記念碑(閖上での死者の記名板)を見学しました。

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「閖上の記憶」にて。ボランティアの小齋さんからの説明を受ける参加者たち
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「閖上の記憶」にて。 津波で倒れた碑(前回の地震・津波を伝えるもの)の前で

その後、松島海岸を見学し、女川に向かいました。この地は土地のかさ上げ工事の最中で、前回と地形が代わり、道路も大いに変化していた。そのため当初の病院(高台にあって津波が1階まで到達したものの持ちこたえた)までのルートも変更され、手間取りながら到着し、病院から町と湾の様子を概観しました。

活動レポート写真3
女川の病院入口にある、 津波到来高を示す表示の前で

宿泊先の気仙沼のホテルでは、夕食時に今日の訪問地についての感想や実習の進捗状況、今後の進学などについて懇談を行いました。

7月16日は、気仙沼湾内・市内の様子を車内から眺めつつ,陸前高田市まで移動しました。奇跡の一本松と追悼施設の見学を行いましたが、陸前高田市も堤防およびかさ上げ工事が急ピッチで進行している様子がうかがえました。昨年存在したベルトコンベアは全部撤去されていて、それを支える吊り橋(希望の吊り橋)も撤去中でした。その後、平泉の中尊寺を見学して、東京に戻りました。

そして、翌日から共同研究を再開し、23日にそれぞれの母国に向かい出国していきました。

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ポスター発表の会場にて
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ポスター発表の会場にて
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ポスター発表の会場にて

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ポスター発表の会場にて
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ポスター発表の会場にて

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ポスター発表の会場にて
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ポスター発表の会場にて