2015年度 活動レポート 第13号:広島大学大学院生物圏科学研究科 斉藤英俊 准教授

特別寄稿 第13号

国際サマースクールを開催
5つのプログラムワークの実習と体験
斉藤 英俊

執筆者プロフィール

[氏名]:
斉藤 英俊
[所属・役職]:
広島大学大学院生物圏科学研究科准教授
 
プログラム実施内容
1日目 広島空港、東広島駅に到着
2日目 ウェルカムセレモニー、研究室訪問、研究科学生主催国際交流パーティー
3日目 プログラムワーク(水産生物学、家畜動物学、食品化学1、食品化学2、細胞生物学)
4日目 プログラムワーク(水産生物学、家畜動物学、食品化学1、食品化学2、細胞生物学)
5日目 世界遺産スタディツアー(平和記念公園、宮島)
6日目 休み
7日目 企業見学(オタフクソース株式会社)
8日目 研究科留学説明会、企業見学(株式会社サタケ)、フェアウェルセレモニー、フェアウェルパーティ
9日目 広島空港、東広島駅から帰国
 

1.実施内容

実施内容
受入れ機関 広島大学大学院生物圏科学研究科
送り出し機関 釜慶大学校(韓国)、全南大学(韓国)、東海大学(台湾)、アイルランガ大学(インドネシア)、ガジャマダ大学(インドネシア)、カセサート大学(タイ)、ミエック大学(ミャンマー)、ビサヤ州立大学(フィリピン)、フィリピン大学ビサヤ校(フィリピン)
受け入れ学生数 8名
受け入れ教員数 1名
実施期間 7月21日~7月29日
 

広島大学大学院生物圏科学研究科ではさくらサイエンスプログラムの支援を受けて韓国、台湾、インドネシア、タイ、ミャンマーおよびフィリピンからの参加者を招聘して平成27年7月21~29日に国際サマースクールを開催しました。
初日は、午前中にウェルカムセレモニーにおいて参加者の自己紹介や日程説明などをおこない、午後から本格的な行事がスタートしました。まず、参加者は研究科内の複数の研究室を訪問し、教員から研究内容の説明や施設の見学をおこないました。研究室訪問の後は、研究科学生主催の国際交流パーティーを開催しました。パーティーでは、参加者がそれぞれの国の紹介や自分の研究について発表しながら本研究科の大学院生と交流しました。

2~3日目は、水産生物学、家畜動物学、食品化学1、食品化学2、細胞生物学の5つのプログラムワークを開講しました。サマースクール参加者は、自らの志望により各コースに別れて担当教員から実習内容の説明を聞き、研究科学生のサポートを受けながら実習を進めていきました。

プログラムワーク(食品化学2)

4日目は、スタディツアーとして、午前中は、平和記念公園内の資料館と世界文化遺産に登録されている原爆ドームを見学。午後は、世界遺産航路を利用して平和記念公園から宮島に向かい、もう一つの世界文化遺産である厳島神社に参拝し日本の歴史や文化に触れました。

宮島スタディツアー

6日目には、本研究科と包括的研究協力協定を結んでいる広島市のオタフクソース株式会社を訪れ、工場見学やお好み焼き教室に参加して広島の食文化を体験しました。

広島お好み焼き教室

最終日の午前中には研究科留学説明会をおこない、留学生担当教員による研究科概要説明に加え留学生・修了生の体験談などの留学情報の提供や質疑応答の時間を設けました。午後には、もう一つの企業見学として、東広島市に本社のある株式会社サタケを訪れ、様々な精米設備を見学しました。最後の行事としてフェアウェルセレモニーおよびフェアウェルパーティを開催しました。パーティでは、参加者らは浴衣の着付けも体験し、アシスタントの学生や教職員達と別れを惜しみつつ、更なる交流を深めました。

フェアウェルパーティでの集合写真

2.さくらサイエンスプログラムの効果について

本研究科の国際サマースクールは今年で8回目となりましたが、これまでは本研究科の教職員や学生と国際交流協定校を中心とした海外の学生や若手研究者との交流が主な目的となっていました。今年は交流をさらに進展させるため、さくらサイエンスプログラムのご支援をいただいて将来的に本学への留学の関心を持つ学生や若手教員を優先的に受け入れることができました。

主なプログラムの内容としては、参加者の希望に応じて5つのプログラムワークを用意し、担当教員や補助大学院生の指導の下での2日間の実習を体験してもらいました。また、プログラムワーク担当教員以外の研究内容を知ってもらうため、研究室訪問の時間を設けました。さらに、研究科留学説明会において受験や奨学金に関する情報提供をおこなうことによって、留学希望者向けのオープンキャンパスとしての効果は、おおむね達成されたと思っています。
国際サマースクールでは、多くの場面で本研究科の大学院生に助けられました。とくに初日の歓迎行事である国際交流パーティーを院生会メンバーが主催してくれましたので、彼らの学生目線での企画・運営力を非常に頼もしく思いました。パーティーを通じてサマースクール参加者、日本人学生および留学生が交流を深めることができました。

3.さくらサイエンスプログラムの今後の展望について

本研究科の国際サマースクールは送り出し機関が多いことが特徴であり、一度に多くの協定校と交流機会を持てるのが長所です。しかし、来日までに必要な事務手続きは個別におこなうため、とくに送り出し機関が東南アジアの場合には参加者の居住都市によっては旅程が複雑になることや、パスポートおよびビザの入手等で思わぬトラブルが発生しギリギリにならないと来日できるかどうか確定しないことがありました。今後の課題としては、事務手続きの効率化を念頭に置きつつ送り出し機関数をどのように調整するのか検討したいと考えております。
本研究科の国際サマースクールは昨年度もさくらサイエンスの支援を受けて実施しましたが、インドネシアからの1名の参加者が、平成27年10月から本研究科博士課程に進学しています。今年の参加者からの留学も大いに期待しているところです。さくらサイエンスプログラムからのご支援は、とくに東南アジアからの参加促進に効果的であると感じておりますので、今後もぜひ継続していただきたいと思います。