2015年度 活動レポート 第160号:日本工営株式会社中央研究所 総合技術開発部

2015年度活動レポート(一般公募コース)第160号

カンボジアの若手研究者と環境問題を考える
日本工営株式会社中央研究所 総合技術開発部からの報告

日本工営株式会社

今般、さくらサイエンスプログラムのご支援を受けて、2015 年11月17日から12月7日の21日間、カンボジア工科大学(ICT: Institute of Cambodia of Technology)から2名の若手研究者を招聘することができました。

カンボジア工科大学は、当研究所が技術情報の共有や共同研究の実施を目指してMOUを締結した海外研究機関の1つで、これまで様々な技術交流を続けてきました。今回は、さくらサイエンスプログラムのご支援を得て若手研究者を招聘し、当研究所の保有技術を共有するとともに、今後の共同研究の議論を深めることができました。

Yok Sokunsreiroatさんは、ICTのChemical Engineering and Food Technology Departmentの教員で、環境問題を研究テーマにされている若手研究者です。当研究所での滞在期間中は、当研究所の社員とともに様々な活動をなさいましたが、彼女が特に印象に残ったことは、河川の水質サンプリング、分析、解析の一連の作業を実施したこととのことでした。特に、現地調査に携われたことが新鮮に感じられた様子です。アカデミーとプラクティスの間をつなぐ貴重な体験であったとのことです。

河川の水質サンプリング
水質の分析・解析作業

Hay Yekhorngさんは、ICTのDepartment of Rural Engineeringの大学院生で、水循環解析を研究テーマに勉強を始めたところです。彼女は大学院生であることもあり、先ずは当研究所が開発した水循環解析システムの使い方から始まり、それをカンボジアのChrey Bak地域で適用することを目指しました。解析理論やそれを実施するための各種ツールの習熟を終え、現地データを用いて解析を始めたところで時間切れとなりましたが、今後は、そのテーマを持ち帰って水循環解析を続けることとなりました。当研究所はそのサポートを続けることとしています。

水循環解析システムの修得
成果発表会

研究活動の他でお二人が感心されたことに、当研究所のような日本の組織の風通しの良さを挙げていらっしゃいました。特に、若手がシニアに相談するときの敷居の低さや、異分野間の日常的な情報交換に驚かれたようです。翻って、当研究所の若手にとっては、彼女らの高い志に感化された筈です。このような相互の刺激も今回のプログラムの大きな成果であったと思います。

中央研究所メンバーと記念撮影
送別会の様子

末筆ではありますが、このような貴重なプログラムにご支援を下さいました科学技術振興機構にお礼を申し上げます。