2015年度 活動レポート 第142号:関西学院大学

2015年度活動レポート(一般公募コース)第142号

台湾・インドネシアの学生が兵庫の先端科学技術に触れる
関西学院大学理工学部からの報告

関西学院大学

11月8日~14日の日程で、さくらサイエンスプログラムで、国立台湾師範大学(台湾)、東海大学(台湾)、パジャジャラン大学(インドネシア)より9名の学生が招聘され、関西学院大学(兵庫県・三田市)を訪問しました。期間中に学生たちは兵庫県の様々な施設等を見学し、先端科学技術を体験しました。

11月9日午前中には、世界一の大型放射光施設SPring-8を理工学部先進エネルギーナノ工学科 藤原明比古教授の案内のもと見学しました。特に物理学系所属の招聘学生はSPring-8見学を非常に楽しみにしていたとの事。関学大が使用しているビームラインをはじめ、SPring-8の最先端の設備の説明を全員食い入るように聞いていました。午後は淡路島に移動し、北淡淡路記念公園にて、理工学部環境・応用化学科 壷井教授による断層の解説をききながら見学し、地震のメカニズムについて理解を深めました。

Spring-8を見学

翌日は関学大 神戸三田キャンパスにて、理工学部化学科 増尾准教授による特別講義および実習「太陽光発電体験」と、午後からは、理工学部情報科学科 巳波教授による特別講義および「プログラミング実習」に参加しました。皆、本学教員・学生による指導をうけながら、真剣に取り組みました。

プログラミング実習
太陽光発電体験

11日は関学大神戸三田キャンパスにて、理工学部生命科学科 藤原教授による特別講義および実習「遺伝子検査体験」に参加して、各自の毛髪を用いて遺伝子検査をする実験に挑戦しました。昼食後には関学茶道部が表千家のお点前を披露。初めての正座とお点前の厳かな雰囲気に緊張しながらも、台湾・インドネシアでも人気の”抹茶味”の本物が体験できた、と楽しんでいました。夕方からは理工学部の研究室と神戸三田キャンパスを見学。様々な分野の研究室を見る事で自分の専門分野以外の知識を得る事もでき、インスピレーションを受けたようでした。

大学のキャンパス内を見学
遺伝子検査を体験

12日午前中には関学大と共同研究を行っている白鶴酒造(株)様およびマルカン酢(株)様を訪問しました。白鶴酒造では資料館を訪問しましたが、館内では昔ながらの酒造工程がわかりやすいよう展示れていて、研究員の説明を皆、熱心に聞いていました。その後、マルカン酢では本社と工場を見学、さらにマルカン酢を使った寿司づくりも体験しました。発酵の技術を使い作るお酒とお酢の行程の違い、今と昔の技術の違い、また日本古来の作り方を学び、科学技術のみならず日本の食文化への理解も深まったようでした。午後からは関学大の連携大学院である理化学研究所多細胞システム形成センターで研究紹介をうけ、最先端の研究の現場を体感しました。

マルカン酢にて寿司作り
白鶴酒造を見学
理化学研究所多細胞システム研究センターを見学

翌日は尼崎クリーンセンターにて、日本の先進的なゴミ処理技術について学びました。リサイクルの仕分け方法、ゴミ焼却で出た熱量の再利用や有害物質の排除方法についてスタッフから説明を聞き、次々に質問が飛び出しました。午後からはダイハツ池田工場を見学。自動車が組み立てられる様子、部品が工場内を無人機で移動する様子を一同見入っていました。夜はプログラム中に携わった関学大教員、学生とともに送別会を行いました。本学学生が制作した今回のプログラムを振り返るムービーの上映ののち、遺伝子検査の結果発表、そして最後は修了証書の授与で閉会となりました。最後まで分かれを惜しんで、なかなか、その場を離れられませんでした。

ダイハツ池田工場を見学
送別会にて。修了証書を手に。
尼崎クリーンセンターを見学

台湾学生の声

今回、日本に来れた事をとてもうれしく思います。私は大学に入って2年間物理を勉強してきました。それは私の物理の知識を深くすると同時に他の分野の知識が減ってしまったように思います。今回このプログラムで他分野の専門家に会う事により科学の中の相互作用を学びました。そのことは私にとってとても大きな収穫となりました。近い将来もっと交流ができればと思います。

インドネシア学生の声

今回日本に来るのは初めてでしたが本当に驚く体験ばかりでした。日本の文化、人々、科学技術について知識を得ました。インドネシアを今後日本のような科学技術の優れた国にしたいと思います。私にとって日本の科学技術はすばらしく印象的でした。今の夢は2年後日本に来て微生物を勉強し修士号を取得する事です。このプログラムに参加させて頂きありがとうございます。