2015年度 活動レポート 第120号:熊本大学

2015年度活動レポート(一般公募コース)第120号

バイオマス有効利用と機能材料の学術交流
韓国、タイ、フィリピン、マレーシアからの若手教員、学生らが来学
熊本大学大学院自然科学研究科物質生命化学専攻・キタイン・アルマン
ド・ティビギン助教からの報告

熊本大学

9月27日(日)~10月6日(火)の期間、韓国のソウル大学より2名、タイのチュラロンコン大学より2名、フィリピンのフィリピン大学より2名とデラサール大学より2名、マレーシアのペトロナス工科大学より2名の合計10名(教員3名、学生7名)を迎えて、本プログラムを実施しました。

本プログラムでは、熊本大学の教員による先端科学講義や、国際学会であるJoint International Symposium on 「Regional Revitalization and Innovation for Social Contribution」 and 「e-ASIA Functional Materials and Biomass Utilization 2015」での学生、若手研究者による研究紹介、学外活動として県内外の民間企業や工場、公的研究機関への訪問や熊本の歴史、自然、文化の体験をしていただくようにしました。

以下に熊本大学大学院自然科学研究科物質生命化学専攻における国際交流活動の様子をご紹介します。

先端科学講義では、本学の佐々木満准教授、吉本惣一郎准教授に超分子や化学工学に関する先端研究について講義を行っていただきました。

国際学会では、本学に短期滞在中の9名にも発表していただきました。熊本大学を始め日本の大学院生、学部生も多数参加した学会となり、各大学における先端分野の研究や技術を知る機会となりました。バイオマス資源の活用などについての講演会も開かれ興味深く聞いていました。

JISRI-e-ASIA国際学会での発表
プログラムの説明及びバイオマスの有効利用に関する講演会

熊本大学には、歴史建造物である五高記念館や工学部資料館、創立百周年を記念した記念館などがあります。国際戦略ユニットにて大学での教育や国際化への取り組みについて紹介するとともに、これらの施設の見学も行っていただきました。熊本大学の変遷と歴史に触れ、日本人学生も含めた参加者の熊本大学への関心がより一層高まったようです。

五高記念館にて教室で

熊本県内の公的研究機関の見学も行いました。熊本県産業技術センターを訪問し、最先端の技術や分析機器の説明をしていただきながら見学を行ったほか、熊本地域で進められているJSTの地域イノベーションプログラムについても説明を受けました。

熊本県産業技術センターの見学

また、県外の機械メーカー1社と食品メーカー2社を訪問しました。建設資材を作るプロセスを間近で見たり、食品加工残渣の有効利用法、飲料の製造ラインの仕組みなど、日本企業の最先端技術について多くのことを学んでいただけたようです。

工場見学先であるマルボシ酢・アスキー株式会社の見学

田川市石炭・歴史博物館では普段見ることのできない石炭山を訪れ、鉱山見学を行いました。田川市での炭坑節にあわせて踊りを教えていただいた時も、熊本大学の学生が地元の方とさくらサイエンス参加者との橋渡しになり、参加者全員が踊れるようになりました。

旧産炭地・田川再生事業の見学

週末には、水前寺成趣園、熊本城、阿蘇・湯布院の観光を行いました。熊本市内に限らず、長時間かつ広範囲にわたり移動したため、非常にハードなスケジュールだったにも関わらず、参加者同士の会話と笑顔が絶えず、日本の自然や文化を存分に楽しみながら学んでいる様子でした。

水前寺公園での日本文化体験

水前寺成趣園と熊本城では、熊本市のボランティアの方に依頼し、英語での案内をしていただきました。同行していた日本人学生も、改めて熊本の歴史を学ぶ機会となり、非常に良い体験となったと思います。

阿蘇では白川水源及び大観峰を訪れました。白川水源では、水の湧き出る様子を観察したりや実際に湧き出ている水を飲んでみたりなどすることで熊本の美しくおいしい水を堪能していただきました。大観峰では国内2位である大きさであるカルデラを見ていただき、大自然のスケールに圧倒されていました。

阿蘇大観峰での記念撮影

また、参加者に温泉文化を堪能していただこうと湯布院の温泉街を訪れました。湯布院温泉での宿泊を通じて、古き良き日本の文化・自然に触れる体験は非常に興味深かったようです。夕食時には各国ごとに自国の紹介プレゼンテ―ションを行っていただき、相互の国の文化について知識を深めることができました。日本の文化や熊本の歴史、自然に興味と関心を持っていただけたことを大変嬉しく思いました。

本プログラムを実施するにあたり、ご協力いただきました本学の教員、事務職員の皆様ならびにプログラム成功に最も貢献していただいた本学の学生に感謝いたします。また、多大なご支援をいただきました科学技術振興機構のさくらサイエンスプログラムに深く感謝いたします。

参加者からのコメント

It was indeed an eye opening trip. As what I had observed, Japan government or JST is really putting effort and priority in carrying out researches related activities such as intellectual ideas exchanging. Also, the equipment for research were well equipped in most of the company lab and also university lab. Not to mention I also learned the cultural side of Japan. Japanese are so friendly and polite anytime. Also, we learned culture and language among other participants' country as well, Thailand, South Korea, and Philippines.

Overall, it is really enjoying, as we all met and learn from each other, not only from research side, but also from cultural side. I would like to utilize this chance to express my deepest gratitude towards JST for everything I had for the past 10 days. I am looking forward to go Japan again in future, perhaps for my PhD studies. Thank you very much. (UTP Stephen)

This program was really helpful and well-organized. In an academic perspective, I was able to learn many things from attending many lectures, and visiting research institute and company. In a cultural perspective, I was able to learn about different cultures from other participants. This program peaked my interest in Japan. I hope this program will be held again so that more students have an opportunity to participate in this great experience. (SNU Junho)

The exchange program was able to expand my perspective, not only of Japanese culture but more importantly the operation of a research laboratory and the importance of collaboration with industry. I am very grateful for this experience. (UP Charlie)

The main strength of the program is the balance between cultural and technical sessions. (UP Karl)

It was a once in a lifetime experience that was enlightening and exciting, and the combination of both the research and cultural experience was very good. (DLSU Erik)