2015年度 活動レポート 第104号:大阪府立大学現代システム科学域

2015年度活動レポート(一般公募コース)第104号

グローバルリーダー育成について参加学生と意見交換
日本のICT最先端技術を体験したカンボジアの学生たち
大阪府立大学現代システム科学域からの報告

大阪府立大学現代システム科学域

大阪府立大学現代システム科学域では、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、カンボジア王立プノンペン大学から大学生10名と教員2名の計12名を招聘しました。システム発想型ICT最先端技術体験プログラムをテーマとし、2015年9月27日から10月4日の8日間に学術・文化交流を行いました。

1日目は、大学でキャンパスツアーや研究室紹介を含むオリエンテーションを行いました。事前にSkypeを使った自己紹介や交流を行ってはいたものの、最初はやはり互いに緊張していましたが、終日一緒に行動することで、少しづつ打ち解けることができたようです。

研究室紹介のプレゼンテーション

2日目は、和歌山大学と新日鐵住金株式会社和歌山製鉄所を訪れました。和歌山大学では、教員と大学院生がICT関連の研究プレゼンをしてくださり、大変活発な意見交換が行われました。カンボジア学生・教員の意欲的な姿勢に、同行した日本人学生も大変刺激を受けたようです。新日鐵住金株式会社和歌山製鉄所では、巨大プラントの各所で製鉄工程の説明を受けながら見学させていただき、超巨大溶鉱炉やその制御管制室など、日本のものづくり産業の屋台骨をその熱気と共にまさに目の辺りにした貴重な経験でした。バス移動もありみんな少し疲れている様子でしたが、充実した一日でした。

3日目は、システム発想型物質科学に関する講義を受け、グローバルリーダー育成について参加学生と意見交換を行いました。この日は辻学長/理事長を訪問して交流し、夜には国際交流会館にて歓迎会が開催されました。

アントレプレナーシップに関する講義にて

4日目は、アントレプレナーシップに関する講義を受け、アントレプレナー精神を涵養するワークショップを行いました。これらは、どのような国の経済発展にも貢献できる内容であり、参加者たちも多くのことを学んだようです。

アントレプレナーシップに関する講義にて
アントレプレナーシップに関する講義

5日目は、大阪府立大にある植物工場見学とICT関連研究室見学を行いました。植物工場では、植物の生育を最適化するために新しく開発された人工光などをICTにより完全制御できる室内環境で、季節や天候に左右されず野菜を安定生産できる新しいシステムを学びました。

植物工場見学

夜には親睦を深めるパーティを実施し、今後も交流を深めていけるような絆を築きました。昨年度に引き続いて今年度も来る3月に日本人学部生がカンボジアを訪問することにしています。

パーティでの様子

6日目は、府大を離れて社会見学へ行きました。午前中はナレッジキャピタルを見学しました。スタッフの方の解説を聞きながら、コラボオフィスや各企業による最新技術のデモンストレーションを体験することができました。午後からは舞洲へと移動し、ゴミ処理場のあと、日立造船の防災ソリューションラボラトリーを見学しました。ここでは、災害による被害を防ぐための様々な装置について解説を受けました。

日立造船の防災ソリューションラボラトリー

7日目は、なんばの電気街散策とI-siteなんばでのワークショップとさくらサイエンス修了証授与を行いました。ワークショップでは、「疑義の余地無き信念を揺り崩す」信念対立解明アプローチを基礎にした異文化理解プログラムを実践し、日本とカンボジアの文化差についての理由、信念、価値感の違いを掘り下げて考察することで、一見対立するように思える考えの根源を理解し合うことの大変さと大切さを体感すると同時に、英語を表層的に駆使することに注力することではなく、文化的背景や信念・価値感の違いを理解し合う態度の醸造が、水掛け論ではなく相互理解を伴う実りある議論に至る上で重要であることを実感しました。辻学長、奥野前学長、石井副学長もカンボジア学生とのワークショップの様子を視察され,最後に辻学長よりカンボジア学生1人1人に修了証書が手渡されました。

なんばを散策
さくらサイエンスプログラム修了書を授与

最終日の8日目は、研究室の学生からお別れのプレゼントとして思いの詰まったアルバムをプレゼントし、笑顔でみんなを見送りました。

参加者の皆さんに思い出の詰まったアルバムがプレゼントされました。

最後に、このプロジェクトに携わることで得た、海外の方との交流をはじめとした、たくさんの人々との出会い、そしてつながり、かけがえのない経験、色褪せない思い出そのすべてに感謝します。このプロジェクトに携わったみなさま本当にありがとうございました。来年、再来年と今後もさくらサイエンスプログラムを通じた継続的な人的交流が大きな力を生み出すことを願っています。