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活動報告(さくらサイエンス・ハイスクールプログラム) 第2号

白衣に身を固めて白川英樹先生の実験教室に参加

独立行政法人科学技術振興機構(JST)

 電気を通すプラスチックの発明で2000年にノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士の実験教室が、今日、7月21日、二松學舍大学九段校舎で行われました。これは「さくらサイエンスプラン さくらサイエンス・ハイスクールプログラム」の目玉のひとつです。第1陣の中国人高校生40人はいずれも優秀な中国の高校生で、8つのチームに分かれて実験をおこないました。


実験が成功して皆にっこり。白川先生を囲んで記念撮影です。

 実験教室のタイトルは「Let’s fabricate a conducting polymer EL device」。導電性プラスチックを実験で合成し、さらにこれを素材に有機ELデバイスを作って導電性プラスチックについて学び、さらに将来の応用範囲などにも考えようという実験です。

 まず、全員が白衣に身を包み、飛沫が飛んできても防御できるゴーグルをかけ、ゴム手袋をしました。実験室のテーブルには、溶媒のエタノール、トルエン、支持電解質溶液の塩化ナトリウム溶液など7種類の試薬と、亜鉛版、ステンレス板、ビーカーなどいくつもの実験器具が並んでいました。

 最初に白川先生が、プラスチックの化学的な構造を解説し、そして自身が開発してノーベル賞を受賞した導電性プラスチックの構造式を示しながら、電気を通すプラスチックの性質などを解説しました。

 実験はまず、導電性のプラスチックの膜を作り、膜の変化を観察しました。続いて有機EL素子を作る実験に取り掛かり、発酵層を作製し、電子注入層を作製しました。最後に有機EL素子を組み立てます。


実験に取り組む高校生たち

 さて出来上がった有機EL素子は、本当に光るでしょうか。発光層側のガラスにプラスのリード線をつなぎます。続いて亜鉛板(電子注入層側のガラス)にマイナスのリード線をつなぎます。

 プラスにつながっているガラスが上になるようにして電圧をかけていきます。すると徐々に上がってきた電圧に反応してEL素子が赤く光ってきました。歓声があがった瞬間です。


白川先生の講義に身じろぎもしないで聞き入る高校生たち

 実験は大成功です。白川先生に、「みんな光りましたか?」とお聞きすると、「はい、一人だけ光らなかったが原因がわかって光りました」という回答でした。

 実験を指導した白川先生は各テーブルをこまめに回り、生徒たちの実験のやり方にアドバイスしたり、ミニ講義をするなど、素晴らしい実験教室でした。また先生は、「中国の高校生は積極的だし、大学1年生ぐらいのレベルですね」と感心されていました。


中国の高校生が感想文を投稿しました -「感動したノーベル賞受賞者の実験教室」


① 曹逸寧(杭州学軍中学校、高校2年、女性)
  • ・高名なノーベル賞受賞学者(白川先生)と至近距離で交流できたことは、人生初めての経験です。化学の知識が欠けている私のような中学生(日本の高校生)が高名な先生の授業を聴講できるとは、先生にお会いするまで想像すら難しかったことです。私にとって、この2時間の授業は大変実りのある時間でした。
  • ・実験中、白川先生は、私たちが難解な専門用語に惑わされないように、とても丁寧に教えてくれました。おかげさまで、実験内容に対する理解が深まりました。実験中、白川先生はグループの実験を直接指導したり、私たちの様々な質問にも熱心に答えくれました。
  • ・以前、インターネットで白川先生について調べたとき、若いころの先生の写真をみたことがあります。それに比べれば、目の前の白髪三千条の白川先生は別人に思えました。一つの研究分野に生涯を捧げ、数々の技術革新をリードしてきた白川先生に心より尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。
     最も素朴な言葉を持って、日々若い世代への普及啓発に取り組んでいる先生にとって、今日の授業は一種の後世に対する社会的責任に過ぎないかも知れませんが、われわれらにとってはとても光栄なことでした。

② 余鐘亮(杭州学軍中学、高校2年、男性)
  • ・日本での初日の体験はとても実りあるものでした。午前中の博物館の訪問では、日本の歴史についていろいろ勉強することができ、大変面白かった。特に、昼食の刺身は絶品でした。一生忘れません!
  • ・本日の一番の収穫は、白川先生の授業でした。私たちに分かりやすく実験内容を伝えるために、先生が施した様々な工夫が見えていました。
  • ・「プラスチックに伝導性はありえない」という既成観念に捕らわれず、絶えず真理を追究する白川先生こそが研究者の鏡だと思いました。

③ 林感(広東仲元中学、高校2年、女性)
  • ・70歳なのに、とても元気でしたのでびっくりしました。実験服に着替えたわれわれに元気よく挨拶してくれた白川先生は、とてもかわいらしかった。
  • ・言葉の壁もあって、実験中、うまく白川先生と会話ができない部分もありましたが、若者の科学教育に対する白川先生の並々ならぬ情熱を感じることができました。
  • ・白川先生のご健康をお祈りいたします。われわれ人類社会に対する更なる貢献がありますようお祈りします。
  • ・将来、われわれの聴講者のなかから、人類社会に大きく貢献できる科学者が生まれてほしいと思いました。

④ 劉果夫(北京市第8中学、高校2年、男性)
  • ・ノーベル受賞者である白川先生と間近で議論でき、とても光栄でした。
  • ・白川先生は世界的に有名な学者なのに、とても親切でした。
  • ・先生から学問的知見を学ぶのも重要だけど、学者としての先生の人格や学問に対する姿勢について学ぶことがもっと重要だと思いました。

平成26年度 活動報告