2014年度 活動レポート 第171号:東京農工大学工学部情報工学科(2)

2014年度活動レポート(一般公募コース)第171号

タイ・ベトナムの学生が「日本・組込み技術ツアー2014」に参加 その2

東京農工大学 工学部 情報工学科

10月24日(金)の午前中には、東京農工大学工学部の研究室を見学しました。まずは情報工学科の中川正樹研究室を訪問し、最新のスマートフォンの手書き文字認識エンジンにも採用されている最先端技術を紹介いただきました。
特に、ベトナム語を表記するために漢字を応用して作られた文字であるチュノムで記述された古文書の認識には、ベトナムからの留学生が取り組んでおり、将来日本に留学したいという気持ちが鼓舞されたようでした。

もう一つは、機械システム工学科の Raksincharoensak Pongsathorn 研究室で、未来の自動車を目指した自動安全運転技術について、実際に研究・開発中の自動車を発動いただきました。
Pongsathorn 准教授は、タイのチュラロンコン大学を首席で卒業され、当大学で学位を取得後、テニュアトラック特任准教授を経て、そのまま当大学で研究・教育に尽力されています。海外出身であっても、日本の大学で活躍できるという素晴らしい先輩の例として、さくらサイエンス学生たちにもお手本として映ったものと思われます。

Pongsathornの自動安全運転自動車

同日午後は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)を訪問し、最先端のロケット技術に触れるとともに、ロケット操縦シミュレータを用いて宇宙旅行を体験しました。

ロケット見学(JAXAにて)

ロケット操縦シミュレーション(JAXAにて)

最終日となる25日(土)は、午前中から日本科学未来館を訪れて、さまざまな科学技術の成果を目にすることができました。このときちょうど「デジタルコンテンツEXPO2014」が開催されており、学生たちは常設展示物とともに、さまざまな大学やベンダーの企画展示を楽しんでいました。

午後からは、当大学から近い国際基督教大学(ICU)の学園祭を訪問し、日本の大学の学祭を満喫しました。夕方から、滞在中同行してくれた情報工学科中條拓伯研究室の学生や、当大学に留学中のタイやベトナムの留学生、さらには現在日本企業で働いている卒業留学生らとともに、たこ焼きを中心としたお別れパーティを開き、この1週間の体験談とともに、日本での留学生活や就労について、有益かつ貴重な時間を過ごしました。

お別れパーティの後で

26日(日)、昼過ぎに滞在した立川のホテルから10人全員リムジンバスで成田に向かいました。みな折れるぐらい手を振っていました。

大満足の笑顔。彼らの笑顔が、このプログラムでの満足度、充実度をいかに表しているかが伺えます。

最後に、このプログラム遂行にご協力いただきました、わさらぼ合同会社の三好 健文氏、東京エレクトロンデバイス(株) 九嶋 充子 氏、(株)日立製作所中央研究所 山岡 雅直 氏、山本 義道 氏、ネサスエレクトロニクス株式会社 大槻典正 氏、荒木 拓人 氏、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 藤田 直行 氏、東京農工大学工学部情報工学科 中川 正樹教授、機械システム工学科 Pongsathorn Raksincharoensak 准教授、世界展開力強化事業コーディネーター; 越智 貴子 特任准教授、そして研究の忙しい合間に引率に協力してくれた、情報工学科中條研究室メンバーに感謝いたします。

数日後、お別れパーティを開いたゼミ室に入ったところ、彼らが知らない間に残して行ったメッセージを発見し、驚きとともに、思い出が蘇ってきました。彼らのあの笑顔にいつかまた出会えることを願い、2015年度も、さらに充実した内容で、このさくらサイエンスプログラムに申請しようという意欲を掻き立て、この活動報告書を終えさせていただきます。

白板に残された落書き