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活動報告(一般公募コース) 第15号

マカオ大学の学生らの見学と意見交換で実りある学術交流

公益財団法人 国際科学振興財団の活動報告-その1

 さくらサイエンスプランで招へいされたマカオ大学一行15人は、8月2日までの7日間、筑波研究学園都市を中心に科学技術交流活動を行なった。


財団の玄関前でマカオ大学一行と記念撮影。

 受け入れ機関となった公益財団法人国際科学振興財団は、独自の講義や筑波大学の協力による講義、さらに独立行政法人・産業技術総合研究所(AIST)、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の視察と各種施設見学、参加者成果発表会などを精力的にこなした。

 見学ではマカオ大学の皆さんとの討論や意見交換も活発に行われ、実り多いプログラムを修了した。

 財団による講義は、赤池敏宏主席研究員によるバイオマテリアル(Biomaterials)、稲森悠平主席研究員によるバイオエコエンジニアリング(Bio-Eco Engineering、’09、中国政府友誼賞受賞)、佐藤聡博士によるTsukuba WAN、岡田典弘主席研究員による分子遺伝学(Molecular genetics)、西村六善理事(元気候変動政府代表兼地球環境担当特命全権大使)による地球環境問題とIT等の活用という5つのテーマで行なわれた。

財団赤池主席研究員によるバイオマテリアル(医学、薬学に貢献する人工材料。例として人工臓器、再生医療デバイスや薬等に使用)の講義。清華大学から出版した中国語の自著を全員に配布して受講者の理解促進に務めた。

財団稲森主席研究員による環境保全再生技術の講義。生物処理工学と生態工学を最適に融合させた博士独自のバイオエコエンジニアリングを用いて、国内外の環境浄化に貢献している。2009年、中国政府 Friendship Award を受賞。質問が続出した。

 筑波大学からはベントン副学長の歓迎挨拶のあと、超高速計算機/高速ネットワーク研究(計算科学研究センター・天笠俊之准教授)、BNCT最先端癌治療(陽子線治医学利用研究センター中性子医学研究開発室長・熊田博明准教授)、睡眠医科学研究(国際統合睡眠医科学研究機構長・柳沢正史教授)の講義が行なわれた。

筑波大学ベントン副学長による歓迎セレモニーでは大学におけるプログラム、講義の特徴が紹介された。

筑波大学計算科学研究センターでの見学、受講。同センターは科学が単に計算機を利用するのではなく、計算機科学との協働で諸科学の探究に最適化した計算機の開発を行っていることに特色を持つ(なお、1996年、スーパーコンピュータ・トップ500の世界第1位を獲得)。

筑波大学は次世代がん治療(BNCT)として、1980年代から原子炉を使用した臨床研究に取組む。その状況について受講。学生からは「このような技術はぜひ海外にも広めて欲しい」との声も出た。

筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)は、国から「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」に指定された日本の最重要研究拠点。柳沢正史教授から講義と研究室の案内が行なわれた。質疑応答の中では「睡眠学習は効果がありますか」との素朴な疑問も出た。

 国内外で注目を集めているロボットスーツHAL(山海嘉之教授による研究開発)の実体験も行われ、膨大な中国関係蔵書図書の閲覧、留学生用学生宿舎の見学なども行われた。

筑波大学では山海嘉之教授のもと、人の能力をテクノロジーによって拡張・強化・補助するサイバニクス(Cybernics)領域の研究を進めている。当日は教授開発のロボットスーツHALを実際に体験。感嘆の声が上がった。

 AISTでは岩田敏彰上級主任研究員から同研究所が進める研究開発についてレクチャーを受けるとともに所内主要箇所を見学。
 KEKにおいては同研究所のノーベル賞受賞者・小林誠博士の理論を実験的に証明したB-FactoryやPhoton Factoryを間近に視察した。

 なお、参加者が交流活動を開始する前に、各研究について概要説明を実施するとともに、どのように活動に取組むかについて参加者個々人が全員の前でプレゼンテーションを行った。
 これに基づき、プログラムを終えるたびごとに各自が Daily review をレポートし、毎日、活動成果を振り返った。

 全体プログラム終了後は、3チームに分かれて、受講した講義内容や訪問先の研究と自分たちの専攻が今後どのようにコラボレーションできるかとの視点に立って成果発表会を行い、研究交流活動の締め括りとした。

平成26年度 活動報告